証人喚問 - その1(全4回)

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第二十四話 Alanは、殺人未遂で有罪判決の可能性が高いアフリカ系アメリカ人の被告を逃亡させ裁判を逃れさせた疑いで起訴されています。検察側の地方検事補(Assistant District Attorney)のDouglas Koupferは、何度となくAlanに煮え湯を飲まされてきた個人的背景もあって、ここぞとばかりにAlanを攻め立てます。とはいえ逃亡はあくまで示唆された内容を被告が解釈して実施したもので、逃亡幇助の明確な証拠はありません。さらにAlanは検察を挑発して嘘をつけない証言台に引きずり出し、起訴は個人的な恨みに基づくものだと白状させて、審理無効を訴える作戦に出ます。

今回紹介する会話は、スリリングで息詰まる神経戦で、内容・表現ともにとても面白い高級表現のてんこ盛りですが、いかんせん長いので、今回を含めて4回にわけて掲載します。

I / IV 【表面的な探りあい-法律論の戦い】

事実としてAlanは被告に対し、自分は弁護士なので逃亡を勧められないが逃亡以外に裁判での有罪(実刑)を逃れる手はないとの見解を示しました。被告はその言葉を聞いて自己の判断で逃亡に踏み切ったわけですが、裁判の争点は、Alanは法を犯したのか犯さなかったのか、に当てられます。あくまで見解を示しただけと主張するAlan(I told him it was his only option)に対し、検察は逃亡を勧めたと主張します(You advised your client to jump bail, to flee the jurisdiction, same thing)。

本件の争点になっている「弁護士として許される行為」について、応酬される会話をまとめて整理します(日本語訳のない会話の内容を理解する一助となれば幸いです)。

弁護士の行為として許されるものは?
(左から右へ行くにつれて違法性が高くなる)

警察に真実を言うな、と言う

警察に渡す情報を被告と共謀して画策する

警察に嘘を言え、と言う

許される

法の範囲内であれば
許される

許されない


上記をモデルとして今次の争点をまとめますと・・・

弁護士として逃亡を助言できないと断った上で、逃亡しか選択肢はないと示す

逃亡するしか選択肢がないと判断した被告の行動を見届ける

逃亡しろという。

許される

法の範囲内であれば
許される

許されない

 問題はこの「法の範囲内であれば許される」の解釈です。Alanの解釈は、もし「逃亡するしか選択肢がない」と被告が考えたときに;

  • そうではない、他に選択肢はある、とDisagreeした場合は嘘をつくことになる
  • そうだ、他に選択肢はない、とAgreeしたら弁護士として逃亡を幇助する犯罪となる
となるので、「弁護士として逃亡を助言できない」と断った上で、「逃亡しか選択肢はない」との弁護士見解を示し、被告はそれを自分自身で解釈し自分の判断で逃亡した、よってAlanは罪を犯したわけではない、との理屈を展開します。

対して検察は、

If that agreement can be construed as advising him to flee, yes.
もしそのAgreeが逃亡をアドバイスする文脈で理解されるなら有罪だ

とAlanが自身を正当化した根拠が大雑把な2択になっているために、考え方を厳密に適用し今回のAlanの行為はこの厳密さを欠いている、Alanは逃亡の実行を理解できる文脈で発言した、逃亡を幇助したのと同じこと、と注意を喚起し、Alanの発言の違法性を指摘します。

・・・

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今回の会話はこちら ↓↓ の「続きを読む」で 
Alan Shore:
Conspiracy to aid defendant to avoid prosecution. Isn’t that a defense lawyer’s job?

A.D.A. Douglas Koupfer: Within the bounds of the law.

Alan Shore:
Okay, but certainly if I were to advise a client, “Do not tell the police the truth,” that would be okay?

A.D.A. Douglas Koupfer:
But if you advised him to lie, it would not. And you took it a step further. You advised your client to jump bail, to flee the jurisdiction.

Alan Shore: No, I told him it was his only option.

A.D.A. Douglas Koupfer: Same thing.

Alan Shore:
No, but come on. If the client comes to me and says, “Gee, as I look at things, seems my only real shot at avoiding prison is to run,” and it happens to be true, I have a legal obligation to lie to my client? To disagree?

A.D.A. Douglas Koupfer: No, but...

Alan Shore: And yet, if I agree, I’ve committed a crime.

A.D.A. Douglas Koupfer:
If that agreement can be construed as advising him to flee, yes. It’s a crime. And, by the way, your client didn’t come to you and lay it all out. You laid it out to him, which crosses the line.

Alan Shore: I expressly told him I was not allowed to advise him to flee.

A.D.A. Douglas Koupfer:
While conveying to him all the while that that is exactly what he should do.


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さて、今日の会話の中で使ってみたい表現ですが

「レイアウト」は、すっかり表現の定着したカタカナ英語ですが、イディオムとして実際の会話で使うというのも素敵なものです。

lay out  【句動】
  1. 適切に[きちんと]並べる[配置する]、配列する、陳列する、提示する、展開する、割り付ける、レイアウトする、安置する
  2. ~の設計をする、~の計画を立てる、計画する、〔プランを〕決める、段取りを決める、区画する、整える、~の身繕いをする
  3. 明確に述べる、明らかにする、説明する
  4. 努力する、骨折る
  5. 打ちのめす、打ち倒す、たたきのめす、ひどく疲れさせる、へとへとにする、ぐったりさせる、気絶させる、(人)を殴って気絶させる、殺す、ばらす
  6. 投資する、費やす
  7. ~に入棺の準備をする、~の埋葬準備をする
  8. ~に文句をつける、~を叱りつける、厳しく叱る
  9. ~と寝る

convey 【他動】
  1. 〔荷物などを〕運ぶ、搬送[運搬]する◆【類】carry ; transport
  2. 〔意思・情報を〕伝達する、伝える、告げる◆【類】communicate
  3. 〔財産・権利を〕譲渡する◆【類】transfer
(英辞郎)

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