第十七話 最終弁論

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第十七話 喫煙の習慣を理由に会社を解雇されたJoan Zederは、Alanに弁護を求めます。裁判に値するかどうかpreliminary judgement の場で、Alanは解雇の不当性を裁判長に訴えますが、Alanの前に弁論を展開した被告側の最終弁論は以下のような内容です。
  • 中小企業の生き残りについて社会保障費の負担は大きな影響力を有する。
  • 経営者側は善処策として禁煙を制度化し、従業員に猶予と共に義務付けたが、従業員にとっても健康のため良い策である。
  • 禁煙を達成しないとどうなるかは従業員側も認知していた。また従業員自身も雇用主に言われずとも喫煙の害悪は認識できた。
対するAlanの最終弁論は、従業員のプライベートな行為である「喫煙」を会社として上司が禁止するのはプライバシーの侵害であると訴えます。具体的には以下の三段構成をとります。

1. 導入
組織(上司)と従業員の関係を考えるためのモデルとしてGeorge Bernard Shawの言葉を引用します。

The great Irish playwright George Bernard Shaw had a rather jaundiced view of our country. Shaw said that, “While our constitution was set up to prevent political dictatorship, in doing so we established a society where every ward boss is a dictator, every financier a dictator, every private employer a dictator. All with the livelihood of the workers at their mercy.

2. 展開

2-1.  上司が自宅で喫煙する従業員を管理する様子を述べ、実際に原告がおかれた立場を想像させます。
Well, if Mr Lumis wants to immolate Mussolini in how he treats his employees at the office that’s one thing. But Joan Zeder’s actions at work have always been commendable. Mr Lumis also declared himself Emperor over Ms Zeder in her home. There he found her smoking, something which is not against the law, which is in fact none of his business, but he fired her anyway.

2-2. なんでそんな話を米国の法廷でするのか理解できないと皮肉をこめます
Shouldn’t we be able to have private lives that aren’t governed by the people we work for? My God! I cannot believe I just asked that question in an American courtroom. My head may explode.

3. 結論

3-1. プライバシーの問題は憲法で保障されるところながら、改めて決断するよう迫られていると、裁判官を心理的に挑発する
Your Honor, the right to privacy, as you well know, is guaranteed under our constitution. But now, thanks to our current Supreme Court, that right is flickering like a candle in the wind. And the breeze is picking up.  But Justice Scalia and his ilk aren’t judging this case.  You are.

3-2. 裁判官にプライバシーのない世界を想像させ、結論の誘導をはかる
And at what point will we say, will you say, that provided we do not violate the law other people cannot dictate what we do in the privacy of our own homes. Your Honor, when you consider this case in the privacy of your chambers where no police or lawyers or Lumis may enter. Please think about the dying gasps of our precious right to privacy and what our lives might be like if it actually passes away.

弁論構成は至極普通の内容で普通に構成されていますが、裁判官というプロを対象としているというよりは、最後の誘導なんかは一般的な陪審員向けといった感じです。ここでは2点ほど、本文内の赤字部分について補則を(主にWikiから)。

ジョージ・バーナード・ショーは、Wikiによりますと、アイルランド出身の劇作 家、劇評家、音楽評論家、で、あのMy fair ladyの原作となった作品を作成しました。またノーベル文学賞も受賞しています。思想的には社会主義者ですが、かの有名なビジネス・スクール、ロンドン・スクー ル・オブ・エコノミクス(LSE) を創設しました。LSEが米国のビジネススクールと違って資本主義の権化になりきっていない背景はこのあたりにもあるかもしれませんね。面白かった記述は、

「あなたが一番影響を受けた本は何ですか」という質問に対して「銀行の預金 通帳だよ」と答えた

のだそうです。英語版のWikiによれば、Shaw examined education, marriage, religion, government, health care and class privilege.とあり、たしかにその方面についてなかなか含蓄のある言葉を多く残しています。私は以下の名言がたいそう気に入りました。

A fool's brain digests philosophy into folly, science into superstition, and art into pedantry. Hence University education.
http://www.quotationspage.com/quotes/George_Bernard_Shaw

ドラマの中でAlanが引いた米国を形容する言葉の形跡は確認できませんでしたが、 そんな内容の発言をしてもおかしくない感じです。

Antonin Gregory Scaliaは米国最高裁判所の判事で、Ronald Reagan大統領の政権下にあった1986年来その職にあります。かなりの保守派のようで、また哲学的または思想的位置も米国法曹界の中で相当の学識に 裏打ちされた信頼を以っておかれているようです。したがいましてこのエピソードのこの最終弁論で引き合いに出すのはなにか大げさなような気もしますが、そ んなAntonin Gregory Scaliaではなくあなたが裁くのですよ、という言い方は、あなたはAntonin Gregory Scaliaと比肩しうる存在ですよ、といっているのか、はたまたえらい厭味なのか、聞き方によっては解釈が分かれそうなかんじですね。

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マイ・フェア・レディーズ―バーナード・ショーの飼い慣らされないヒロインたちマイ・フェア・レディーズ―バーナード・ショーの飼い慣らされないヒロインたち
(2005/06)
大江 麻里子

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