Thou shalt not kill

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第十五話 レイプ被害者の少女が意識不明のまま搬送された病院はCatholicの教義を信奉する病院であったため、受精後72時間以内に処方しなければ妊娠回避の効果を発揮しない薬は少女に処方されませんでした。その結果妊娠してしまった被害者は、そんな病院を訴えますが、宗教教義に従う治療について裁量を認められている宗教病院側は訴えを退けようとします。被害者を弁護するShirleyは、証言台に立つ病院側の教義解釈のご都合主義を突きます。

Shirley Schmidt:
But that (you often work weekends) would put you squarely on the job during the Sabbath. 
Exodus 35:2 states that he who works on the Sabbath should be put to death.
 → 休日も働くことは教義に反するのでは?と問いかけます。

Shirley Schmidt:
Mark 16:18 states that a believer can drink any deadly thing and not be harmed.
As a physician, are you ready to say that your Catholic patients can take a swig of arsenic and suffer no adverse effects?
 → 信ずる者は何を口にしても傷つかない、というではないか、と問いかけます。

Sabbathは、sabbaticalといった、日常よく使われる語の元になっている言葉ですが、キリスト教圏の生活に無縁な日本人には知らないと何のことかわからない単語ですね。意味と訳語は是非辞書で調べてみてください。またtake a swig of はイディオムで、

    take a last swig of ~
      (…から)~の最後の一口を飲み干す
      表現パターンtake a last swig of ~ (from)
    (英辞郎)

で、arsenicは砒素ですから、いくら何でもShirleyの二つ目の突っ込みは字面の揚げ足取りですね。さて、そんな突っ込みに証言台の医師もキリスト教の言葉で応酬します。

Dr James Tusten:
God was fairly straightforward with, “Thou shalt not kill.”

捕鯨反対で話題になったSea Shepherdや、その他動物の乱獲に反対する動物愛護団体の掲げるプラカードにはしばしば “Thou shalt not kill” の文字を認めます。現代英語に直すとYou shall not kill, 日本語では一般的に「汝殺す勿れ」とされます。

《旧約聖書》の出エジプト記 (Exodus)、申命記 (Deuteronomy) に記されている"Thou shalt not kill"は、もとは神からモーゼとイスラエルの民に言い渡された戒めであり、十戒(Ten Commandments)として、キリスト教、ユダヤ教、さらにはイスラム教の道徳基礎となっています。イスラムでモーゼはMusaで、もっとも偉大な預言者の一人とされています。

「古代の宗教的戒律や倫理的教訓がほとんどすべて「汝殺す勿れ」「盗む勿れ」「姦婬する勿れ」「己の欲せざる所を人に施すこと勿れ」といった特定行為のミステイクを禁止する否定命令の形で表現され、ネガティヴ・メソドロジーが人間にとって根源的な行動原理だった。」「問題は西洋近代になってから、「…する勿れ」という否定命令の代わりに「…せよ」というポジティヴな肯定命令の形の命令が多用されるようになり、こうした行為指向型の当為の流行がわれわれ現代人にとって倫理的な大問題を提起するに至っている」
http://fs1.law.keio.ac.jp/~popper/v8n2fujimoto.html

藤本隆志氏による上記の指摘は正鵠を射ておりまして、この “Thou shalt not kill” も中絶・死刑・戦争等の現代社会の闇に巣食う人間の殺生の問題を複雑に取り込みながら解釈の幅を広げてきました。

英訳ではYou shall not killと訳されてきましたが、20世紀になって原語の解釈の進展等から、You shall not murderの方が適当とされるようになりました。このフレーズは意図せぬ殺人または犯罪者の処刑は含まれるが、戦争による殺人は意味していないという解釈(死刑は反対、戦争はOK)が主流のようです。

以下に“Thou shalt not kill”の解釈をまとめてみました。
英訳 解釈
伝統的解釈 Do not murder 殺人は大罪
カトリック、ルーテル(ルター派) You shall not kill (Roman Catholic)
You shall not murder (Lutheran)
犯罪者の処刑は必ずしも禁止されない
堕胎はこの戒律に反する
戦争は禁止されない
Typical Protestant view 自分・他人の命を大切に
自分・他人の命を不用意に奪ってはならない(正当防衛、死刑戦争は除かれる)
命を奪いかねない行為も許されず、言動や怒りも許されない
Islam 犯罪ではない場面で他人を殺害したものは、すべての人間を殺したとみなされる
Qur'an 17章, "Al-Israa" ("The Night Journey") Do not kill unjustly 人生を終わらせるのはAllahの神聖な業 (ただしもっともな場合は許される)

今回の記事は以下を参照しています。
http://en.wikipedia.org/wiki/Ten_Commandments
http://www.deathreference.com/Sy-Vi/Thou-Shalt-Not-Kill.html

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