Obituary

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第十一話 藁にもすがる思いで癌の新薬テストに参加したものの、真薬の割当は富豪の社長に買収され、偽薬を割り当てられた癌患者Robert Hopperは、テストに裏口から参加した会社社長Daniel Postを訴えます(関連エピソード)。証言台で新薬テストが持っていた心理的な意味を語ります。

Robert Hopper:
You know how the obituaries always say things like,“So-and-so died after a brave struggle with cancer?” I’m not brave. I’m terrified. Cancer can make a coward out of anybody.
故人を偲ぶ文句でよく「何某さんは癌と勇敢に戦い亡くなった」などと書かれますよね。私は勇敢ではない、むしろ怯えている。癌は人を臆病にさせるのです。

Attorney Samantha Fried:
So when you heard about the trials for this new drug?
なるほど、で、新薬の実験の話をきいたときは?

Robert Hopper:
I leapt at it. I’m not a fool. I know it was a random chance I’d even get the drug and not the placebo, okay? I was willing to leave that to fate. He wasn’t.
迷わず応募しました。私は馬鹿ではありませんから、偽薬ではなく真薬にあたる可能性は五分のチャンスだと分かっていたんですよ、理解できてますか?。私はそのチャンスを天に任せる気でいました。でも彼はそうじゃなかった。

so-and-so 【名】 誰それ、誰々、某氏
Mrs. So-and-so came. : 何とかいう女の人が来た。 (英辞郎)

obituary 【名】 死亡記事、死亡広告、死亡告知 (英辞郎)

各界著名人の死亡を伝え、生前の業績や関係者の反応、通夜や告別式・葬儀での出席者の様子も伝えるものです。日本では「お悔やみ」欄とか、英辞郎のように「死亡記事」としていますが、内容はむしろ評伝、伝記に近しい様子です。文春のコラム「蓋棺録」がobituaryの訳だとしたら名訳だと思います。
http://dailynews.yahoo.co.jp/fc%2Fdomestic%2Fobituary%2F#backToPagetop

サンプル、書き方の指南やテンプレートのサイトがあります。
http://obituary-usa.blogspot.com/2008/01/sample-obituary.html
http://www.obituaryguide.com/template.php

アメリカだけでなくインドでも同様のサイトがあります。
http://www.obitsindia.com/obituary-message-samples.aspx

外国にはテンプレートや書き方指南まであるというのは驚きですが、日本には無い文化ですよね、一体何故なのでしょう?この辺も調べだすと深遠な世界にはまりそうなので、軽い耳学問で済ませて恐縮ですが、死生観の違いのような気がします。即ち、obituaryの存在する世界にはあるけれども日本文化にはない(又はなくなった)、という観点で考えると理解できそうです。

具体的には、推測1)"Memento mori" (ラテン語で「自分が(いつか)必ず死ぬことを忘れるな」という意味の警句)の概念の存在ではないでしょうか。即ち、obituaryの存在する世界では生前に Memento moriを意識しながら生き逝去した人間に対し、残されたものがその業をobituaryで称えますが、日本では諸行無常、死は死、といった考えが根底にあり、「自分が(いつか)必ず死ぬことを忘れるな」という考えをベースに現世を生き抜く生命観はないということです。死は「忘れるな」の対象というよりは、必ず来るよ、避けられないよ、という対象という意味です。その結果、死の結果に対しては、「ご愁傷様」、「偲ぶ」といった概念で故人と触れ合う文化が根強かった為に、obituaryで故人と向き合い故人を称える習慣は日本では発展しなかったのではないでしょうか?

或いは、推測2)「ハレ」と「ケ」の境界が存在する日本文化の中で、「ケ」の世界に属する「死」は、日本人の生活のなかではobituaryのように積極的/明示的に触れる機会は無かったのではないでしょうか?obituary のある世界で「死」は「ハレ」の扱いになるというわけではありませんが、「aufheben」の思想を背景とし、死を受け入れ乗り越え新たな地平を開く文化的な動機がobituaryへと連なっているのではないかとも考えます。

現在の日本の状況を十分にobituaryが根付いていると考えるならそれは欧米からの輸入なわけですが、戦争を機に殉死が美化されたことも大いに関係あるかもしれません。何せ眼前で死を強要された人がいたわけですから、「ケ」の世界に押し込めるのも憚られますし、偲んでも偲びきれない状況下ではobituaryのようなものが有益に利用されるようになったとしてもおかしくありません。

いろいろ調べていたら、なかなか面白いサイトを二つ発見しました。
さて、最後に出てきたLeap at ですが、

leap at  ~に飛び付く
* leap at a(/the) chance  チャンスに飛び付く
* leap at an offer  誘い[申し出]に飛び付く
* leap at the opportunity  チャンスに飛び付く
* leap at the real estate deal 不動産取引に飛び付く

///

memento mmori、といえば映画mementoでしょうか?それともミスチルのほうかな?
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ガイ・ピアースキャリー=アン・モス

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コメント
この記事へのコメント
死生観の違いについては、欧米の個人主義と日本の集団主義の違いもあるのでしょうか。
欧米社会では個人の業績が尊重されますが、日本人は集団(たとえば会社とか家族とか)のことを第一に考えて行動します。
たとえ葬儀でも、個人があまり目立ってはいけないとか(笑)あるんでしょうか。
日本ではお墓も家族単位ですものね。
そういえば私、自分の死亡記事(まさにobituary)を自分自身で書いたことがあります。
ある自己啓発系の本に自分の死亡記事を書いてみるよう勧められていたのでやってみたのですが、生き方=死に方なのかなあと感じました。
もっとも「自分の死亡記事書いてみたんだ~」なんて周りには言えませんでしたが(笑)
すみません、なんだか話が脱線してしまったような…^^;
2009/07/09(木) 00:43 | URL | そこそっこ #-[ 編集]
Lalala Shoreさん、こんにちは。

当方のブログを紹介していただきありがとうございます。又、コメントありがとうございました。

このブログはなかなかレベルの高い内容を展開されていますね。

死生観で言うと、こちら(アメリカ)でこんな事がありました。

先日、こちらの職場で家族が亡くなった人がいました。しかし、回りの人達の反応や出勤してきた本人の反応を見ると、日本の職場よりあっさりしています。

多少のお悔やみの言葉は交わすのでしょうが、後は笑顔が主でした。日本では、もう少し”ひきずって”職場にも厳正な空気が流れるのでしょうが、そういうことはありませんでした。

他のエントリーも楽しみにしています。
2009/07/09(木) 17:52 | URL | いちろう #AtOU8eDY[ 編集]
> 死生観の違いについては、欧米の個人主義と日本の集団主義の違いもあるのでしょうか。
いいポイントかもしれません。

> 日本ではお墓も家族単位ですものね。
墓石に刻む文句もobituaryとしたら、お墓の形とか、ご指摘の埋葬単位もobituaryに影響を与えていそうですね。家族単位の墓石にobituaryを書くと、遠い子孫は迷惑ですよね。私の孫のその孫が墓石に「ぱっとしない翻訳家として爪に火を灯す生活を続けた」などと読んで、わが家系の貧困の源はこの翻訳家にあるのか、とか思われるのも困ります。そのころはお墓もWEB化されてobituaryもきれいな映像になっているかもしれませんね。
2009/07/09(木) 20:44 | URL | Lalalan Shore #-[ 編集]
いちろうさん コメントありがとうございます。

私は欧米の葬儀は映画やドラマでしか見たことないのですが、確かに悲しみに加え、立食シーンや、軍・警察系だと国旗を棺桶にかけて演奏を背後に空砲鳴らしたりと、お祭り的な雰囲気を感じますね。かつてサラリーマン時代に香港に赴任していたのですが、かの地では何度か葬儀に立ち会いまして、そのときの経験では葬儀は日本に近い「悲しみ系」でした。1点ちがうなと思ったのは、火葬の際にお金を一緒に燃やすんです。金銀の紙のお金もどきですが、金持ちは本物を一緒に火葬するそうです。

すみません、勝手ながらリンクを貼らせていただきました。今後ともよろしくお願いいたします。

///
2009/07/09(木) 20:59 | URL | Lalalan Shore #-[ 編集]
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