Denny Craneのキャラクター設定

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以前、Larry King Live 再出演の記事に、「Dennyの主張は暴論なのか、それとも一理ある見解なのか、いちど考えてみたい」と書きました。突然ですがここで考えてみたいと思います。

第十話 Alanは、クレジット・カードの支払いに問題を抱える秘書Melissaを弁護する羽目になり、Melissaから事情を聞いています。Dennyは、なぜ(クレジットカードのトラブルを起こすような)貧乏を相手にするのか問いかけ、Alanは答えます。

Denny Crane;
What is this sudden concern of yours for people without money? I need to know.
何なんだ、この突然の君の関心が貧乏人に向かうというのは? 理由を知りたい

Alan Shore;
You need to look at the big picture. If people don’t have it, they might want to steal ours.
大きな目線で考える必要があります。もしお金がないと、彼らは我々から盗みかねません。

なんということない基本的な単語でのみ構成されている会話ですが、なかなか面白いですよね(そう思うのは私だけかもしれませんが・・・)。
  • またAlanも、先日のLarry King Live (Gracie Jane Live) でDennyが発言した内容をなぞっているだけです(こう答えればDennyは納得してこれ以上詮索しない、こう言わないとDennyは納得しない、というAlanのしたたかな計算もあると思います)。
Boston Legalではseason 2-9話のホームレス、season 2-23話のアフリカ系アメリカ人の問題、season 3-11話のHurricane Catalinaの被災地での医師の問題、その他喫煙者とか女性とか障害者とかとか、ドラマでは幾度となく格差問題に焦点をあてていますが、いずれも弁護にあたったAlanは格差を解決している訳ではなく、格差の犠牲者としての弱者に救いの手を差し伸べ、結果的に強者から弱者への資産の再配分を実現するにとどまっています。穿った見解かもしれませんが、小さな弱者(=正義)vs. 大きな強者(=悪者)の構図を作り、Alan ShoreというHeroの力で弱者が強者を倒し、視聴者を愉快な気分にさせ、「弱者だってあきらめないでHEROと一緒に闘えば、強者が肩を張る社会を生き抜けられるんだ」という教訓的な結論を導き出す勧善懲悪式の構図を演出するのが、Boston LegalのAlan Shoreを鑑賞する醍醐味です。

その意味でBush政権という強者が退場し、Obama政権になったためにSeason 5で終了するとした当ドラマのProducer, David E Kelleyの見解を以て、「Boston Legalは一旦の役割を終えた」と評価する下記週刊金曜日のサイトの見解は正鵠を射たものです。
http://d.hatena.ne.jp/peace823honey/20090124/1232898032

なるほど、誤解を恐れずに言えば、就任100日を経過したObamaの諸政策は、金融機関救済なり高額ボーナスの牽制なり、偏った資産の再配分を半強制化するものです。Alan Shoreが弱者の側に立たずとも、Obamaのアメリカは政治でその仕組みを制度として確立しているわけです。

そう考えますと、強者が支配し弱者が力を抑え込まれた社会(或は大胆に言切るならBush政権下での社会)において格差問題を解決するには、motivationとしてLarry King Live (Gracie Jane Live) で披露された「Denny式弱者救済理論」とでもいう考えが実効性を有すると考えられます。即ち強者が、「強者として弱者を救ってやるんだ」という考えに立たない限り、強者社会における格差問題は解決の日の目を見ないという考え方です。そう考えますとDenny Craneというキャラクターは破天荒な言動を繰り返し、タカ派のヘンなおっさんのようにキャラクター設定されていますが、よくよく考えてみると強者社会の良心としての位置づけを見て取る余地もあるわけです。

Season 3 第20話でアフリカ系アメリカ人の話し方に'articulate'発言をしたDennyがストーリーの一部になっていましたが(放送当時のarticulate問題の背景は下記Washingtonpostの記事を参照していただくとして)、ドラマの中でDennyはぼこぼこにされていましたが、 What! What do you say? If a person sounds black, what’s the right way to say it?というDennyの問いかけに対してはShirleyもPaulも歯切れよい説明ができなかったのが印象的でしたね。強者社会が自己の力に気付かず、無邪気さを披露する前には弱者はなすすべもないといったところでしょうか?
http://www.washingtonpost.com/wp-dyn/content/article/2007/02/01/AR2007020101495.html

小難しいことをぐだぐだと述べましたが、DennyとAlanのこの会話を面白いと思う背景はざっとこんな事情によります。

でも、結局はドラマなんてぼーっと見ていて面白ければいいんですよね。

山田昌弘の『希望格差社会』が正面から中立に格差社会を分析した好著とすれば、増田氏の下記作品はDenny Craneの考え方に近いものがある格差社会論に仕上がっています。

格差社会論はウソである格差社会論はウソである
(2009/02/26)
増田 悦佐

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