第六話 最終弁論 (イラク戦争の問題)

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第六話 最終弁論 (イラク戦争の問題)
イラクで戦死した弟を弔うべく軍を訴えようとする姉に対し、Alanは(そもそも政府の方針を裁判で問うわけですから勝てる見込みは薄いわけで、そんな事情も踏まえて)、軍を訴えて何を得るのか、何をしたいのか、法廷闘争を始める前に尋ねていました。お金なのか、社会正義なのか・・・。原告たる姉は “Maybe, I just want someone to hear my screams.” と答えていました。

具体的な最終弁論の内容ですが、戦争に対する支持・不支持の立場によって見解が分かれることを防ぐべく、いずれの立場からも主張を聞いてもらえるように、Alanは以下のように切り出します。

Whether one is for or against the occupation that does not exempt the military from a duty (to be honest) with its soldiers.

Exempt ~ from ~、こんなふううにさらりと使ってみたいものです。
次に、支持不支持にかかわらず当審理の争点とすべく、二つの論点を提示します。

論点1:軍の兵士勧誘と徴兵の契約にあった過誤を指摘します

After his tour of duty was up they wouldn’t let him leave. He never assumed those risks by enlisting. Over extended, under equipped, non-trained. He never signed up for that. And now he’s dead.

つまり、期間は延長する、装備は与えない、訓練はしない、そんなことは徴兵された側には想定外なのでは、ということですが、それをOver extended, under equipped, non-trained、といったover…, under…, そしてnon-…、といった羅列の仕方でとても素敵に表現していますね。

論点2:世間の無関心が即ち軍・政府の施策を野放しにしていると訴えます。

In this country, the people, the media, we all just chug along like nothing is wrong.

chug along
〔汽車が〕シュッシュッポッポと音を立てながら進む、〔経済などが〕順調に進んでいく

Chug alongはシンプルで響きもいいフレーズですね、どこかで使ってみたいものです。

上記2つの観点から以下の問題提起をします。

Private Elliot is dead in part because we have a people and a government in denial. We currently have no strategy to fight this war. We have no timetable for getting out. Some of these troops could be extended twenty plus years! Their mothers and fathers have to spring for body armor because the army doesn’t. And they’re getting killed! And we as a nation in denial are letting them. We simply don’t seem to care.

即ち、世間の無関心→監視役の欠如→政府の暴走→善良な第三者にして一般人の犠牲、という風が吹けば桶屋が儲かる式の事態が起こっている、という主張から、まず軍の契約違反を突破口に裁判に結びつけようという作戦です。

Alanは最後に、戦死した弟の姉で原告でもある女性の悲痛な叫びを代弁し、彼女が一兵士の死から現実を直視しているように、我々も現実に関心を向けようよ、この事例から始めようよ、と締めくくります。

She’s in this courtroom honoring one dead soldier. That’s a start.

このevidentiary hearingの終了後Alanは、「君のscreamは確かに世間に届いたよ」と述べ、大陪審の裁判には持ち込めなかったものの、“Maybe, I just want someone to hear my screams.”といっていた原告たる姉の当初の目的は果たせたことを確認しています。

ところで本エピソードがリアルタイムで放送された2005年当時は、放送後にこのAlanの最終弁論が相当の評判を呼んだようで、いまも多くのサイトで賞賛をもって紹介されています。
http://scribeokc.blogspot.com/2005/11/alan-shore-for-senate-private-elliot.html

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湾岸戦争のときもそうでしたが、国連や国際法は全く機能していませんでしたね。
国際法から見たイラク戦争―ウィーラマントリー元判事の提言国際法から見たイラク戦争—ウィーラマントリー元判事の提言
(2005/03)
C.G. ウィーラマントリー

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法律や公的権力が機能しないときは社会規範が機能するものではないのか、自由を標榜する大国の市民として言論を通じて社会規範を機能させなければならないのではないか・・・、ドラマではありますが、あの戦争に対して社会全体が抱く素朴な疑問を(脚本家の社会的正義感なのか)一主人公の正義感溢れる台詞を通じて、問題提起しています。

Alan Shore: I don’t presume to know whether this is a good war Denny. But there can be no dispute it’s a complex one. One that we as a citizenry, as patriots need to be talking about.

蛇足ながら・・・
蛇足ながら・・・
相手方(軍)の最終弁論です。

戦争に戦死者はつきもので、軍を訴えることは戦争に人生を捧げた戦死者及び戦死者の家族に対する冒瀆だ、愛国心への冒瀆だ、と訴え、さらに本訴訟自体を一蹴します。

この訴訟は単に仰々しい試みを実施したまでで、反戦を飾り立て煽るだけのものだ
This lawsuit merely represents a flamboyant attempt to showcase antiwar sentiment.
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