FoxのドラマBoston Legalのしゃれた会話を題材に、英会話を学びたいと思います。

■ブログ管理人よりご挨拶申し上げます■

当ブログを読んでくださりありがとうございます。当ブログを管理しているLalalanと申します。よろしくお願い致します。

  • ブログをはじめて2年と3ヶ月、ブログにいただいた「拍手」の累計が200を越えました。
  • 当初は自分自身の整理を目的に記事をアップしていましたが、最近ではすっかり読み手の存在を意識しながらアップしています。
  • 今後とも牛歩で進む所存ですが、よろしく「拍手」「コメント」のほどお願い申し上げます。
    また、「日本ブログ村・英語ブログ」も是非覗いてみてください。

    → 英会話教材としてのBoston Legal      → Boston Legal概論


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Let's help people suffered from the disaters Think Daily


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第二十話 元夫Ivanは再婚したばかりにもかかわらず前妻Shirleyに執拗にアプローチしてきます。そんなIvanにShirley自信も断り続けられるものかわからず(I don’t trust myself with him)、相手の新妻や自身のモラルを考えると、どうしたものかとDennyに相談します。するとDennyはさらりと以下のようにアドバイスします。

Denny Crane:
Moral!, invented by the power elite to keep the Hoi-Polloi from enjoying themselves.

Power eliteHoi-Polloi という二つの言葉が出てきます。

まず一つ目、Power eliteとは何でしょう?

Power elite
in political and sociological theory, is a small group of people who control a disproportionate amount of wealth, privilege, and access to decision-making of global consequence.
The term was coined by Charles Wright Mills in his 1956 book, The Power Elite, which describes the relationship between individuals at the pinnacles of political, military, and economic institutions, noting that these people share a common world view.
http://en.wikipedia.org/wiki/Power_elite

“Power elite“は、上記にあるとおりCharles Wright Millsの著作に端を緒する言葉で、日本語ではそのままカタカナで「パワーエリート」場合によっては「権力エリート」と訳されます。Wikiの説明がいちばんわかりやすいので引きますと、

政治・経済・軍事の各分野に於けるヒエラルキーのトップであり(政府機関幹部、政治指導者、大企業幹部、軍幹部など)、ミルズは、これら権力層が権力構造維持による利益の一致から協力して大衆を操作している。
http://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%83%A9%E3%82%A4%E3%83%88%E3%83%BB%E3%83%9F%E3%83%AB%E3%82%BA

とされます。単純な権力者或いはエリートを超越して、ヒエラルキーの頂点に君臨して下部に生きる大衆を自分の駒として使う人といったニュアンスを含むと考えられます。

二つ目は、Hoi polloi です。

Hoi polloi (Ancient Greek: οἱ πολλοί)
an expression meaning "the many", or in the strictest sense, "the majority" in Greek, is used in English to denote "the masses" or "the people", usually in a derogatory sense.
Synonyms for "hoi polloi" include "... commoners, great unwashed, minions, multitude, plebeians, proletariat, rank and file, riffraff, the common people, the herd, the many, the plebs, the proles, the peons, the working class".
http://en.wikipedia.org/wiki/Hoi_polloi

“Hoi polloi”は「大衆」ですが、Wikiの説明にあるderogatoryという形容詞をニュアンスに抱える言葉で、MassやManyなどと区別できると考えます。同義語の中に示された言葉も上から目線の表現が多いと思われます。

derogatory 【形】
軽蔑的な、相手を見下した、権威を傷つけるような、名誉を毀損するような
(英辞郎)

今日紹介したDennyの台詞は、“Power elite“と“Hoi polloi”という二つの相反する社会学的な概念を対比させた知的水準の高い台詞になっています。

・・・

政治学の古典的名著ですね。

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会話の中で、話者の間であれば分かり合える個別具体的なものがある場合は、そのものズバリを会話の俎上に載せると、話が弾みます。例えば「新幹線で大阪まで行く」というよりは「午後早い時間の、のぞみ24号でで大阪まで行く」、或いは「ドラマを見る」というよりは「竜馬伝を見る」とか「福山の時代劇を見る」といった具合です。(そんなことない?)

第二十話に出てきたさまざまなものの名前、或いは固有名詞の使い方を見てみます。

1 Jean Nate
老人ホーム(Assisted Living Home)に押し込まれて知らぬ間に財産を奪われそうな車椅子のAdeleをホームから脱出させようと、Catherineは夜中の老人ホームでAdeleを手引きします。部屋を出るときにAdeleが囁き声で質問します。

Adele Freeman: Did you pack my Jean Nate?
Catherine Piper: Yes, I packed your Jean Nate.

Jean Nateは1935年にCharles of the Ritz(NYのRitzホテルの美容室を買い取ったヘアドレッサーCharles Jundtの会社)から発売された風呂上りにつける女性の香料"After Bath Splash"ですが、Lanvin やYves Saint Laurent といったブランドとの合従連衡を繰り返しながら、1987年以降はRevlon社に売却され、黄色いボトルでマーケティングの成功を収め今日でも発売されています。
http://www.revlon.com/Revlon-Home/Products/Fragrance/Jean-Nate.aspx

香水持った?というよりは、具体的な商品名を会話に持ち込むほうが表現とその後の展開も豊かになりそうな印象です。

2 Ackee
オフィスのパントリーでランチの準備をするDenise は、Alanがなにやら見慣れない食べ物を食べているのに気付きます。何を食べているのか訊ねるDeniseにAlanが答えます。

Jamaican Ackee. tastes like scrambled eggs if you cook it.

Ackeeは、西アフリカ原産ながら18世紀にカリブ諸国に持ちこまれ、現在もアフリカ中米で栽培が盛んなフルーツだそうです。ピンク色の芽の部分にはアルカロイド系の毒素を包含しているそうですが、実の部分を食する以外にも、実の皮、香料、気付け薬、木工、薬剤等、幅広く利用されているようです。
http://www.hort.purdue.edu/newcrop/morton/akee.html

The Ackee Fruit (Blighia Sapida) とその毒性について
http://www.scq.ubc.ca/the-ackee-fruit-blighia-sapida-and-its-associated-toxic-effects/

Jamaican Fruitsと一般的に表現するよりは、Jamaican Ackeeといったほうが雰囲気も伝わって会話の展開も幅広くなりそうな印象です。

3 Bonanza
AlanとDeniseはAdeleをはじめ老人の資産を勝手に処分し着服している悪徳管財人をどうしたものかと思いますが、まずは管財人を尋ねようと考えます。

A visit to his den would be a good start.
まずは彼のアジトを訪ねてみよう。

DeniseとAlanは管財人の家を訪ねますが、新旧の贅沢な嗜好品であふれかえりごちゃごちゃした空間で暮らす管財人の生活を認めたAlanは、以下のような台詞を述べます。先のA visit to his den would be a good start.と併せるとBonanzaの響きが心憎い限りです。

When’s the last time you saw a TV tray? Suddenly I feel like watching Bonanza.
最後にテレビトレーなんて見たのはいつ?なんか刑事Bonznaを見たくなってきたな。

4 Earl Monroe
Clifford Cabotの妻Natalie Cabotは、離婚に際して夫のコレクション(ビクトリア朝時代の大人のおもちゃ)を放棄するといいます。コレクションの品々には代わった名前がついていますが、 ‘The Pearl.’という名の文献も含まれるようです。

Ivan Tiggs:
Natalie, is willing to give up the entire erotica collection, books, magazines, paintings, photos..., a collection which includes five first edition copies of ‘The Pearl.’

Shirley Schmidt:
Which I’m guessing is not a biography of Earl Monroe.

Earl Monroeは1960年代後半から80年代前半まで活躍したNBAのスタープレイヤーで、そのしなやかなこなしのプレースタイルは"Earl the Pearl," "Black Magic," "Jesus."等と賞賛されました。引退後2005年にはニックネームのPearlを冠したクラブレストラン"Earl Monroe's Restaurant & Pearl Club"(現在はThe River Roomという名称)をニューヨークに開店しています。

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第二十話 歴史学の教授Clifford Cabotは自身の離婚を弁護士のShirleyに相談していますが、財産分与の争点の一つは、彼自身が収集したビクトリア朝時代の「大人のおもちゃ」の扱いで、コレクションをPornographyと表現したShirleyに対してClifford Cabot教授は‘erotica’と表現するようたしなめます。

Clifford Cabot:
As I’m sure you’re aware, much like today, the late eighteen hundreds were a socially conservative time. During repressive eras…
貴女も知っていると思うけど、今日と同様、1800年代後半は社会的に保守的な時代だったんだ。そういう抑圧された時代には…

Shirley Schmidt: Pornography thrives.
ポルノが隆盛する。

Clifford Cabot:
We prefer ‘erotica.’ She's in possession of my premiere collection of Victorian erotica in the western hemisphere. I intend for it to be my legacy to the world.
「エロチカ」と言ってほしいな。彼女の手の元にあるんだ、西洋世界におけるビクトリア朝エロチカの私のプレミアコレクションは。私はそれを世界の財産に残したいと思っている。

legacy は車の名前にも使われている語で、日常の会話やビジネスのシーンでもよく耳にする言葉です。
英辞郎によると、

【名】
1. 〔遺言書による〕相続財産、遺産
2. 〔先祖や過去からの〕伝来のもの、遺産
3. 《コンピュータ》レガシー ◆新しいものが出現したが、長年使われ、いろいろな事情で完全に捨てることができない古い技術や仕様など。

【形】使われていない、時代に合わなくなった

本例で使用されている “Legacy” は上記1.2.で説明されるLegacyの使い方で、legacy to the worldは「世界に伝える財産」とでも訳せるのではないでしょうか。例えばこちらのアンコールワットのサイトでも使用されています。
http://angkorwat.net/

世界遺産を示すworld heritageはユネスコの用法による固有名詞的な表現であって、一般論的に人類のための世界遺産を示すのであれば、legacy to the worldを使用するほうがよいでしょう。

Legacyは、もともとはローマ教皇の送り込んだ特使を意味するLegateから、「ローマ教皇からの意図(即ちお言葉
ですから、それは財産)」という意味から「残された財産」の意に転じたようで、~に送られたのニュアンスを込める意味でLegacyに続く前置詞は、ofよりはto、Legacy of the worldよりはLegacy to the worldのほうが適切な表現かと思います。

late 14c., "body of persons sent on a mission," from O.Fr. legacie "legate's office," from M.L. legatia, from L. legatus "ambassador, envoy," noun use of pp. of legare "appoint by a last will, send as a legate" (see legate). Sense of "property left by will" appeared in Scottish mid-15c.
http://www.etymonline.com/index.php?term=legacy

ところでリーマンショック後よく耳にする機会が増えたのが英辞郎の3. 及び形容詞の意味で使用されるLegacyで、潰すに潰せない会社、新しいビジネスモデルに変更したために会社の事情でやむなく古い体制を残す会社、といった意味でLegacy company又はLegacy firm、残務処理費用をlegacy costと表現します。
http://knowledge.emory.edu/article.cfm?articleid=1335

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いま世界はアメリカも欧州も日本も、右肩上がりの成長を前提としていた時代のlegacyと闘っていますね。雨降って地固まるといいのですが、もう少し年単位の時間がかかりそうですね。

The Public Debt a Democratic Legacy. the First Rebellion a Rally for Slavery. What It Cost the ...The Public Debt a Democratic Legacy. the First Rebellion a Rally for Slavery. What It Cost the ...
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第十九話 最終弁論
Melissaの脱税は明らかに違法なだけに、Melissaを弁護するAlanは最終弁論をどうしようものか悩み、「弁論を寄って立たせるための信じられるモノがない」とMelissaに心のうちを正直に明かします。Melissaは最終弁論までに何か信じるモノを見つけるようAlanにいいますが、最終弁論でAlanが見つけたモノとは、アメリカ社会におけるアメリカ人の市民的不服従という考え方でした。

Alanの弁論は、Melissaの脱税にはまったく目をつぶり、ひたすら脱税の行動に対する理解を求める内容で、起承転結の4部構成になっています。即ち、

       1)Melissaの行動の背景を述べ、
       2)Melissaの行動の正当性を擁護し、
       3)Melissaの行動を理解するための考え方を伝授し、
       4)賢人の言葉を引用します。

1) Melissaの行動の背景を述べる
Alanは、Melissaのなかに市民的不服従の思想や行動が芽生えた背景を明かそうと試み、実際に世の中に起こった政治の動きと、かかる政治の不可解な内容に対する市民の実際の反応(=無関心)を列挙します。
  • When the weapons of mass destruction thing turned out not to be true, I expected the American people to rise up. They didn't.
  • Then, when the Abu Ghraib torture thing surfaced and it was revealed that our government participated in rendition, a practice where we kidnap people and turn them over to regimes who specialize in torture, I was sure then the American people would be heard from. We stood mute.
  • Then came the news that we jailed thousands of so-called terrorist suspects, locked them up without the right to a trial or even the right to confront their accusers. Certainly, we would never stand for that.  We did
  • And now, it's been discovered the executive branch has been conducting massive, illegal, domestic surveillance on its own citizens. You and me. And I at least consoled myself that finally, finally the American people will have had enough.  Evidentially, we haven't.
  • In fact, if the people of this country have spoken the message is, we're okay with it all. Torture, warrantless search and seizure, illegal wiretappings, prison without a fair trial or any trial, war on false pretenses. We, as a citizenry are apparently not offended.
  • There are no demonstrations on college campuses. In fact, there's no clear indication that young people even seem to notice.
... Well, Melissa Hughes noticed.

2) Melissaの行動の正当性を擁護する
次に、デモや演説という伝統的な方策を採らずに納税を拒否したMelissaの反応は、現在のアメリカ社会の中で示された一つの合理的な形態であったとMelissaの行為を正当化します。

Now, you might think, instead of withholding her taxes, she could have protested the old fashioned way, made a placard and demonstrated at a Presidential or Vice-Presidential appearance, but we've lost the right to that as well. The Secret Service can now declare free speech zones to contain, control, and in effect, criminalize protest.

Stop for a second and try to fathom that.

At a presidential rally, parade or appearance, if you have on a supportive t-shirt, you can be there. If you’re wearing or carrying something in protest, you can be removed.

This! in the United States of America. This! in the United States of America.

Is Melissa Hughes the only one embarrassed?

3) Melissaの行動を理解するための考え方を伝授する
陪審にはMelissaの行為を理解してもらおうと、理解するための考え方のモデルとしてEdward R. Murrow式の考えかたを使い、反対意見を表明しているからといって横暴な態度で接する政府を、血迷っている(=they're smeared as being a heretic)と批判します。ちなみにAlanは当エピソードの公判の途中で検察の尋問に対し、

A distinction often missed by those who confuse dissent for disloyalty.

とその考え方をちらりと披露しています。さて、弁論の続きにもどります。

And what I'm most sick and tired of..., is how every time somebody disagrees with how the government is running things, he or she is labeled un-American. 

Speech in this country is free, you hack!  Free for me, free for you.
Free for Melissa Hughes to stand up to her government and say, "Stick it"! 

I object to government abusing its power to squash the constitutional freedoms of its citizenry. And, God forbid, anybody challenge it, they're smeared as being a heretic.

Melissa Hughes is an American! Melissa Hughes is an American! Melissa Hughes is an American!

4) 賢人(Adlai Stevenson)の引用
なかなかすばらしいフレーズや文言のオンパレードです。under the cloak of anti- Terrorismですとか、最後の“it's far easier to fight for principles than to live up to them”などは名言ですね。

Last night I went to bed with a book, not nearly as much fun as a 29 year old, but the book contained a speech by Adlai Stevenson. The year was 1952. He said 'The tragedy of our day is the climate of fear in which we live and fear breeds repression. Too often sinister threats to the Bill of Rights, to freedom of the mind, are concealed under the cloak of anti-Communism.' Today, it's the cloak of anti-Terrorism. Stevenson also remarked that “it's far easier to fight for principles than to live up to them”.

最後の締め。

I know we are all afraid.  But the Bill of Rights, we have to live up to that.  We simply must.
That's all Melissa Hughes was trying to say. She was speaking for you.

I would ask you now to go back to that room and speak for her.

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