FoxのドラマBoston Legalのしゃれた会話を題材に、英会話を学びたいと思います。

■ブログ管理人よりご挨拶申し上げます■

当ブログを読んでくださりありがとうございます。当ブログを管理しているLalalanと申します。よろしくお願い致します。

  • ブログをはじめて2年と3ヶ月、ブログにいただいた「拍手」の累計が200を越えました。
  • 当初は自分自身の整理を目的に記事をアップしていましたが、最近ではすっかり読み手の存在を意識しながらアップしています。
  • 今後とも牛歩で進む所存ですが、よろしく「拍手」「コメント」のほどお願い申し上げます。
    また、「日本ブログ村・英語ブログ」も是非覗いてみてください。

    → 英会話教材としてのBoston Legal      → Boston Legal概論


日本赤十字社への義援金(Google チェックアウト) Google Crisis Response

Let's help people suffered from the disaters Think Daily


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第十九話 納税を無視して逮捕されたMelissa Hughesは、国を相手に裁判に臨んでいます。Melissaを弁護するAlanは、たかだか400ドル程度の未納金なので直ちに払うから、と司法取引を求めますが、国に否定されます。

D.A. Jonathan Shapiro:
The government is not interested in a deal, Your Honor. The client didn’t just fail to pay her taxes, she wrote, ‘Stick it.” on a Post It and attached it to her returns.

政府に司法取引の意思はありません、裁判長。被告は税金の支払いを怠っただけでなく、「やっとけ、あほ」とポストイットに書いて返信に貼り付けてきたのです。

Alan Shore:
Your Honor, it’s quite simple, when my client filed her taxes she inadvertently mailed the Post It note she had written to herself as a reminder to stick the check in the mail.

裁判長、単純なことです、私の弁護する被告は納税に際しうっかりポストイットを送ってしまったのですが、彼女自身に向けて小切手を忘れずにやっとくように書いたものです。

Stick it
1. same as "shove it (up your ass)"
"Yo man, stick it."
(Urban dictionary)

inadvertently 【副】
不注意に、ふと、気付かずに、何かの事情で、うっかりして、思わず、何の気なしに、うかつに(も)
(英辞郎)

Stick itは、Urban Disctionaryの解説を見ると、関西方面のフレーズでしばしば耳にする「ケツの穴から手ぇつっこんで奥歯がたがたいわしたろか?」に通じるフレーズのような印象を受けます。要はドラマや映画ですっかりおなじみになったF**k You!やSh*t!といった表現に類似する表現で、比較的マイルドといいますが、女性でも使える(?)単語でできているので、上品にF**k You!やSh*t!を表現するフレーズといえるかもしれません。

さて、“Stick it”はいくつかの英和辞書では、英辞郎に表記されているように「ぼったくり」といった意味を紹介されています。この台詞に「ぼったくり」の訳を当てはめても自然に思えます。しかしながら、“Stick it”を「ぼったくり」としているのは英和辞書のみで、英語圏の辞書では「ぼったくり」の意味を確認できませんでした。

stick it on 〈俗〉法外な値段を吹っかける、ぼる (英辞郎)

確かにStickという単語には、このブログで比較的多くの拍手をいただいたstick to one's gunsのような使い方をする単語であり、「ぼる」のような意味はないように思います。そもそもMelissaは税金を払う意思が無いわけですから、よくよく考えてみれば、支払い行為を前提とする「ぼったくり」はこの場面では不適切です。

“Stick”を調べてみましたが、悪い意味を持つニュアンスは確認できるものの、直接「ぼる」につながる意味や近しい意味は発見できませんでした。
  • 関連しそうな名詞では、n. 12. A threatened penalty:
    • 用例):using both a carrot and a stick to keep allies in line. 
      (飴とムチは英語では carrot and a stickです)
  • 関連しそうな動詞では他動詞で、v(t). 15. (Informal) To put blame or responsibility on; burden:
    • 用例):stuck me with the bill.
  • またスラングながら慣用表現で、stick it to (Slang) : To treat severely or wrongfully.

いったいに、和英辞書にある“Stick it” = 「ぼったくり」、はどこから来たのか。なぞです。

Stick it!は、コメディタッチの体操映画のほうが有名なようです。トレーニング中に激を飛ばすときの「喰らい付け!」のような意味でしょうか?

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税金については、同エピソードの別のシーンでAlanがなかなか味のある台詞を使っています。それは・・・
[Stick it]の続きを読む
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第十九話 Melissa Hughesは、第十話のクレジットカードの請求金無視に続き、納税を無視して裁判で国を相手取ります。イラク戦争や情報統制、なぜこんなひどい国に税金を納めなければならないのか・・・。とんでもない理屈(の脚本)ですが、AlanはMelissaを弁護します。

Melissa Hughes:
He (=My grandfather) was such a proud American and I just started thinking how embarrassed he would be by what’s happening today.

彼(=私の祖父)はたいへんによきアメリカ市民で、彼が今日起こっていることを見たらどれほど戸惑うことかと私はただ思うのです。

Alan Shore: What’s happening? 何が起こっているのでしょう?

Melissa Hughes:
US torturing people, spying on our own people, squashing everybody’s civil liberties. My grandfather would weep. It makes me weep.

アメリカは人を拷問し、自国民をスパイし、個々人の市民としての自由を潰しています。祖父は嘆いたでしょうし、私も嘆きます。

Alan Shore:
Melissa, you need to change the channel. The awful things you speak of never happened on the fair and balanced newscasts.

Melissa、チャンネルを変えないといけません。あなたの言った恐ろしいことは、fair and balancedを掲げるニュースでは絶対放送されませんから。

FOXは米国のメディア会社ですが、ご存知Rupert Murdoch率いるNews Corporation傘下にあります。"Fair & Balanced"は、そんなFOXのキャスターが使用するスローガンで、登録商標でもあります。

FOX の報道姿勢がどういったものか、日本にいる日本人にはなかなか知りえませんが、以下の話を聞くとFOXがどういった報道局なのかおおよその察しはつきます。

コメディアンAl Frankenは、2003年の著作「Lies and the Lying Liars Who Tell Them: A Fair and Balanced Look at the Right」の副題で"Fair & Balanced"を使用し、FOXのニュースはまったく以って"Fair & Balanced"ではないと皮肉り、FOXから訴えられています。またFOXに対しAl Frankenと同じような印象を抱いていた者は多かったようで、AlterNetはFOXによる"Fair & Balanced"の登録商標の取り消しを求めたりしています。
http://en.wikipedia.org/wiki/Fox_News_Channel#Online

Courrier Japan 2010年7月号によると、コメディアンJohn Stewartは、FOXの歪曲報道と戦っています。Courrier Japanではfair and balancedを「不偏不党」と訳しているようです。

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一般的にFOXによるニュース報道の姿勢は、銃規制の反対やイラク戦争のあからさまな支持当から、極めて保守派に偏っているとみなされているようです。

ドラマBoston Legalは日本では放映権を買い取ったFOXを通じて放送されていますが、米国ではABCで放送されたドラマです。したがってここに紹介したAlanの台詞は、ABCで放送されていたドラマであった故に、FOXの"Fair & Balanced"に関する扱いを題材に、you need to change the channel、The awful things you speak of never happened on the fair and balanced newscasts. と、素晴らしくウィットとブラックのスパイスが効いた会話となって放送されたわけです。FOXはこんな台詞がドラマで展開されていたと知った上で放映権を買い取ったのか否かは不明です。

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第十八話 最終弁論
Shirleyの若き日のヌード写真が公開されてしまう危機に瀕している問題で、Alanはなんとか公開を避けるべく、男として抱くShirleyへの関心も手伝い、個人的に写真を買い取ろうと試みます。ただ単に「売ってくれ」では足元を見られるので、Alanは、(ややもすると恐喝と受け取られかねない)自己中心的な、故に論旨に無理のある、ちょっとしたストーリーを展開します。最終弁論というよりは個人的な利益に誘導するための仕様もない三文話です。

Alan Shore:
Simply put, it's Shirley Schmidt. As much as I admire and respect her, if I don't resolve this case, I'm afraid she'll get nervous and fall back on old habits, she'll call in the old guard, one of the cronies in banking and finance, someone who smells like old pipe smoke and hair 9 tonic, someone with a florid nose from too many old fashions at lunch, down the street. And this fella, whoever he is, will have friends. Friends who work in banks, who probably shouldn't, who don't treat confidential information very confidentially.

(要旨) なりふり構わぬ方策に走るクセのあるShirleyは、金融機関に勤めていて個人情報を悪用しても何とも思わない協力者のコネを使い、故人の親類縁者を探し出す。

someone who smells like old pipe smoke and hair 9 tonic,
someone with a florid nose from too many old fashions at lunch, down the street.
→ とってつけたような、大げさな、いかにも不正行為をはたらきそうな人物描写で、かえって信憑性が欠けてしまいかねませんが、脚本の意図もその辺のいい加減さを視聴者に伝えたいのでしょう。

And then Marguerite, the old crony will discover how deeply in debt you are. And once he learns this, my replacement will make a few phone calls, write a few letters and seek out your husband's most distant and forgotten relative. Perhaps a less fortunate cousin who always admired but could never affords one of your husband's beautiful artworks. And my replacement will reach out to him, commiserate and convince him to contest your husband's will, at which point your husband's estate could be tied up, well it could be for years, decades really. And if this replacement of mine turns out to be this fella I'm thinking of? It could get really ugly.

(要旨) 金融機関の協力者はまた、未亡人が借金苦に陥っているとの情報を入手し、 Shirleyにその旨伝える。するとShirley側は探し出した故人の遠い縁故者に、財産相続権があるから名乗り出るよう伝え、未亡人による相続の暫定命令及び財産移動停止を発令させ、相続を遅延させ、阻止し、とても醜い争いが発生する。

Perhaps a less fortunate cousin who always admired but could never affords one of your husband's beautiful artworks.
→ これまたとってつけたような、大げさな表現ですが、何の縁もゆかりもないそこいらの人間と、故人の遺作の芸術性を対比させ、両者の潜在的な結合性を示唆し、相続予定者に相続権の脅かされる恐怖感を与える(?)かもしれません。

Marguertie Hauser:
For such a vague man, you've been extraordinarily clear, Mr Shore.

いつもは抽象的な物言いなのに、今日はやけに明快だわ、Shoreさん。

Alan Shore:
Yes. And here's the thing, I just don't like the way these people operate around here. It's just not right. These photographs are yours to do with what you please. And you should get a fair market price. So. Before I simply give up and call it a day, I'd like to ask you one question.

そのとおりです。で、ここで言いたいのは、私はそんな人たちがこういったことをするのは好きではありません。単に正しいことではないからです。これらの写真はあなたのもので、あなたの幸せの素です。そしてあなたは市場から公正な価値を知ります。私が企みを諦め電話しないとするその前に、一つ質問したい。

Marguertie Hauser:
And what is that? 

何かしら?

Alan Shore:
What is your price? 

いくらなら売っていただけます?

こうしてAlanはShirleyの若き日の写真を入手したのでした。要するに写真を購入したいのですが、なんとか自分に有利な条件で購入できるよう、相手に足元をみられないようしょうもない理屈をこねくり回して交渉に当たっているわけです。

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Shirley役の大女優Candice Bergenはいろんな作品に出演していますが、自叙伝も書いているようです。

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第十八話 Dennyは、相手方の検察が車椅子に乗る被害者の原告をカメラの前にさらし、世論の同情を集めようとする姿勢に対抗し、自身が弁護する本件の加害者にして被告のRussel Blayneyの行為を「ブランド化」しようと広報コンサルタントを雇います。で、今回のコンサルタントの台詞ですが・・・、
  • ここに紹介する広報コンサルタントからの説明の台詞には、米国流マーケティング戦略のエッセンスが盛り込まれています。ビジネス・コンサルティングファームはこのエッセンスをひたすら小出しにし、多くの分野に適用して高い報酬を得ています。
  • また、Okay!やNow! で始まる語りかけや、理論を展開した後に実例を添えてイメージの具現化をはかる言葉の使い方・しゃべり方にも、アメリカ流プレゼンテーションのエッセンスがちりばめられています。

Okay! Now this just a mock-up. Obviously we will replace Jimmy Stewart with Mr Blayney. But the banner can and should be behind you every press conference. Notice I used the same font as “Mission Accomplished”. Americans are comfortable with that font.

Now! We will send B-roll of Mr Blayney to the press, working in his garage, using his table saw, working with his power tools, fixing things around the house. And as far as the talking points, keep it simple. Speak of the opposition as “the drug-crazed intruder”, the incident as “the harrowing home invasion”.

Now I know you're tight with Larry King, but we are negotiating with Nightline, Hardball and The Daily Show. That is where most Americans get their news.


最初のパラグラフですが、視覚効果に関する叙述です。アメリカらしい配色のバナーを背景にした有名俳優の代わりに、被告の写真を載せる案を出します。
  • Jimmy Stewartはご存知アメリカの俳優James Stewartで、典型的なアメリカ人好みのハンサム顔の俳優さんです。私の大好きなヒッチコックも贔屓にしていた俳優さんで、ヒッチコック映画にはたくさん出演しています。
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  • Mission Accomplishedは、2003年に空母USS Abraham Lincolnにおいて、軍用機で乗り付ける演出を添えたGeorge W. Bush大統領が、米軍の対テロ戦争におけるイラクからの漸次撤退(イラクでの主要任務は終了した=Mission Accomplishedという趣旨)、アフガニスタンへの主戦場移行を表明したスピーチです。スピーチの背景となった空母の司令塔に、赤青白のマーブルストライプに「Mission Accomplished」と書かれたバナー広告のような横断幕が掲げられていました。


2番目のパラグラフですが、ブランディング/マーケティングに際してのストラテジーを展開します。
  • B-Rollをメディアに配信する、のB-Rollは、正規の本編フィルム(Roll)であるA-Rollの補足Filmを指します。翻ってダイジェスト版ですとか、解説やメイキングを指す場合もあるようです。
  • Russel Blayneyのイメージ展開については、以下の2点で相手との対比を展開して、自分の家を守る良き典型的な「アメリカ家屋の住人」を心象付けようと試みます。
    • “the drug-crazed intruder”である原告との対極にある人物像を浮き彫りにする。
    • “the harrowing home invasion”であった事件の危機感を視聴者に植えつける。

3番目のパラグラフですが、これは1番目・2番目のストラテジーとは異なるご愛嬌で、ブランド展開のルートを示します。Dennyは以前にも紹介しましたが故Larry Kingの番組に出演しており、その事実を踏まえた上で他の有力番組を紹介しています。

アメリカの大衆向けマーケティング戦略の要諦は、上記1番目のパラグラフに代表される視覚効果、2番目のパラグラフに代表されるイメージ展開戦略、これら二つを併せて、いかに視覚に訴えるイメージを展開し見る者を引き込んで洗脳するか、その点にエッセンスがあると言っても過言ではないように思います。赤白青の3色バナーやフォント、編集映像や有名テレビ番組はそのマーケティング展開を有効にする典型的な有力手段といえます。

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第十八話 Dennyの扱う事件の相手方検事は、車椅子で過ごす原告(窃盗に入ろうとした家屋の防犯システムにより体中に電流を流された、泥棒にして麻薬中毒者ながら、本件での被害者)の姿をメディアに流し、世論を味方につけようとします。Dennyは、自分の弁護する被告(家屋の防犯システムに電気ショックを設置した男性、泥棒に入られたが本件での加害者)についてもメディアを使って世論を味方につけようと考えます。Dennyは被告の行為は、家を所有する者の当然の権利であると意識付けすべく、広報コンサルタントを採用し、 “American Homeowner” というキャッチフレーズを考案して被告のブランド化を検討します。DeniseはそんなDennyの戦略に懐疑的です。DennyはそんなDeniseにRodney King事件を引きます。

Denise Bauer: But do we really think that we need to label Mr Blayney?

Denny Crane: Ah, Denise. Rodney King?

Denise Bauer: Rodney King. Uh, severely beaten by the police over ten years ago.

Denny Crane:
See? You remember. Why? Branding! They didn't call him Rodney King: wifebeater,
alcohol abuser, who swung a tire iron at a convenience store clerk. They called him Rodney King: a
motorist, a motorist: Rodney King. Brings to mind images of a jaunty man riding hat in cap in a Model-T.
That's what we want. Russell Blayney: American Homeowner. Not Russell Blayney: eats them broiled,
baked or fried.

Denise Bauer: But Rodney King was beaten!

Rodney Kingは1991年にロス市警の警官から集団で暴行を受けた黒人で、暴行の様子は偶然に付近でビデオ撮影していた市民のカメラに収められ、映像としてアメリカ全土に流されました。映像はアメリカ市民の人種問題の火種となり、度重なる人種対立の事件とともにくすぶり続けましたが、1992年4月29日、Rodney King事件の裁判で警官への無罪評決が下されると、評決に怒った黒人は暴徒と化し、ロサンゼルス市街及び飛び火したラスベガス、アトランタ、サンフランシスコをなどのアメリカ各地、カナダの一部にまで波及しました。暴動では黒人が白人市民を襲う様子も伝えられ、人種対立は泥沼と化しました。

Rodney Kingは暴動のさなか黒人側の英雄的存在で、暴動の沈静化を目論むTVから担ぎ出された際には、暴徒と化した黒人たちに平和と人種間の融和をよびかけるメッセージを発するなどの役を務めましたが、もともとは前科持ちで、Dennyのいうように、婦人への暴力、アルコール中毒、コンビニ強盗の前科があります。警官から暴行を受けたときも、深夜スピード違反で捕まり、警官に逆らったために暴行を受ける羽目になったのでした。

Rodney Kingが暴徒に向けて語りかけたメッセージ
People, I just want to say, you know, can we all get along? Can we get along? Can we stop making it, making it horrible for the older people and the kids?...It’s just not right. It’s not right. It’s not, it’s not going to change anything. We’ll, we’ll get our justice....Please, we can get along here. We all can get along. I mean, we’re all stuck here for a while. Let’s try to work it out. Let’s try to beat it. Let’s try to beat it. Let’s try to work it out.
http://en.wikipedia.org/wiki/Rodney_King

しかしながら当時も今も人々の記憶にのこるのはRodney Kingは犯罪者ではなく暴行の被害者であり、悪の警官に対する、弱い被害者の善としての黒人の象徴です。Dennyはこのイメージ付けを裁判の戦略に持ち込もうとしているのですが、Deniseの指摘したように彼らの弁護しようとしているRussel Blayneyは本件では白人で加害した被告の立場です。Boston Legal ならではの心憎いまでのアイロニーたっぷりの構成です。

///




第十八話 被告Russell Blayneyの家を襲った原告の泥棒(Mr Dominguez) が防犯システムに感電して重態となった事件で、Russell Blayneyは電気の流れる防犯システムを設置したために罪に問われています。実はこの泥棒は、薬物中毒で泥棒の前科もあるのですが、本件を争うに際しては原告である泥棒の前科や薬物依存は本件では取り扱われない、陪審に考慮されることのない事実で、裁判はあくまで「電流を流された泥棒」対「家に電流を流す防犯システムを設置した男」の構図でしか裁いてはいけないようです。

A.D.A Frank Gingsberg:
Your Honor, Mr Dominguez's prior burglary convictions and history of drug abuse have no bearing on whether the defendant improperly electrified his home.
裁判長、Dominguez氏の強盗の前科や薬物乱用の過去は、被告が不適切なまでに自宅を電気防備したか否かには関係ありません。

Denny Crane:
Nonsense. This felon was higher than a kite when he got zapped. He's got six prior convictions for larceny, burglary, grand theft auto. Of course it's relevant.
ナンセンスだ。この凶悪犯は感電したときラリっていたんだぞ。奴は、窃盗、強盗、集団自動車泥棒で前科六犯だ。関係あって当然じゃないか。

A.D.A Frank Gingsberg:
The prejudicial effect of the victim's prior criminal activity…
被害者の過去の犯罪行為が先入観となる影響は…

Denny Crane: Your Honor, my client is a victim here! I don't…
裁判長、私の依頼人はここでは被害者なのです。

A.D.A Frank Gingsberg:
... clearly outweighs any probative value such evidence would have for the jury!
…明らかにいかなる判断材料をも凌駕し、そういった証拠は陪審に影響を与えるものです。

Judge Diane Avent:
Enough. Mr Gingsberg is right. The evidence is highly prejudicial, and will be barred at trial. Mr Crane, you may not bring up Mr Dominguez's bad acts unless the door to impeachment has been opened.
もうよい。Gingsberg弁護士が正しい。証拠は高度に偏見を与えかねないので公判では使用してはいけない。Crane弁護士は、Dominguez氏の悪行を持ち出してはいけません、そういった事態に言及することが許されるまでは。

higher than a kite 酔っぱらっている
・ Don't allow him to drive, he's higher than a kite.
・ 彼に運転させちゃ駄目だよ、酔っぱらってるから。
(英辞郎)

英治郎では酒酔いを連想させる役になっていますが、higher than a kiteの場合は、文字どおりハイになっている状態で、酒ではなくDRUGに酔っている場合に使うようです。また、暗く気分悪くではなく、明るくハイになっている状態を指すようです。

・・・

Higher Than a kiteだそうです。すさまじいオリエンタリズム。


・・・

また、この会話例での二人の弁護士のやり取りは、裁判のやるせない仕組みといいますか、制度的な限界といいますか、心象的になかなか理解しにくい内容を描写しています。即ち・・・

[Higher than a kite]の続きを読む


第十八話 薬物中毒を装ったBradはRachelを連れ出して彼女が今も薬物に手を出しているのか探ろうと試みますが、Rachelに逆に連れてこられた先は、薬物中毒からの更生を志す者の集会でした。集会で自分の薬物歴を発言する羽目になったものの、偽装中毒者なのでうまくプレゼンできなかったBradは、Rachelに言い訳がましく「自己の内面をさらけ出せないのは自分の親の育て方のせいだ」、といいます。Rachelは私もそうやって育てられたのよ、と自分の父親(Bradにしてみれば上司のPaul)の話を愚痴ります。Bradは上司であるPaulの父親評を娘のRachelから聞くわけですが、Rachelの愚痴は同時に弁護士に対する辛らつな批判にもなっています。

Rachel Lewiston:
My father kept every emotion tightly tucked away in his suit pocket, right next to his watch.  You just say what's on your mind. Instead, my dad- always the attorney. He'd just sit back and play little games, you know, ferreting out information with these obtuse questions.  And on the rare occasion when he would open up and talked to me, he wasn't happy unless I told him what he wanted to hear.  You know, being him, I think it's a hard way to live.

Rachelの台詞をわかりやすく箇条書きに整理しなおしてみます:

You just say what's on your mind.  Instead, my dad,
always the attorney,
・ He'd just sit back and play little games, erreting out information with these obtuse questions. 

On the rare occasion when he would open up and talked to me,
・ He wasn't happy unless I told him what he wanted to hear.

You know being him, I think it's a hard way to live.

Rachelにいわせれば子供のころから家族として接している弁護士は決して憧れの職業なんかではなく
  • いすに深く座ってゲームを楽しむように、人に質問を浴びせて探りを入れてくる。
  • 心開いて話してくれないし、自分が聞きたいことを聞かないとうれしそうな顔をしない。
  • 弁護士の彼のように振舞うのは、生きた感じしない。
となるわけです。
みなさんはいかがでしょう?弁護士と聞くとどのような人物像を思い描くのでしょうか?

こちらのサイトに調査結果が掲載されています。
http://q.hatena.ne.jp/1260506028

最近はツイッターでいろいろつぶやいている弁護士さんもいらっしゃいます。私もフォローしてますが、なかなか博識でおもしろい弁護士さんです。

さて、Rachelの台詞の中に、彼女の弁護士観を象徴する単語がいくつか使われていますので、チェックしておきます。

Ferretはペットしても定着していますが、その行動特性から盗人、泥棒を示す語としても使われていたようで、15世紀には動詞としての用法も確立されたようです。

ferret (n.)  
late 14c., from O.Fr. furet, dim. of fuiron "weasel, ferret," lit. "thief," probably from L.L. furionem (related to furonem "cat," also "robber"), from L. fur (gen. furis) "thief."
The verb (early 15c.) refers to the use of half-tame ferrets to kill rats and flush rabbits from burrows; the extended sense of "search out, discover" is 1570s.
http://www.etymonline.com/index.php?search=ferret&searchmode=none

動詞としてのFerret(outを伴う)は、Find や Discover に比べ、ねちっこく狩を楽しむような、狩られる側には恐怖感が伴うような、印象を受けます。

ferret out 【句動】

1.〔犯人などを〕捜し出す
◆【直訳】白イタチ(ferret)を使ってウサギやネズミを穴から追い出す(out)
2.〔事実などを〕探し出す
・The purpose of this example is to show how to ferret out a reasonable explanation.
: この用例の目的は妥当[理性的]な説明を探し出す方法を示すことです。

obtuseは、にぶい人!というときに使える語です。

obtuse 【形】発音əbtju'ːs、分節ob・tuse
1.〔知能・知覚などが〕鈍感な、鈍い、尖っていない、鈍角の、なまくらな
2.《植物》〔葉先が〕鈍頭の
obtuse angle:鈍角 ◆90度超、180度未満の角◆【反】acute angle
obtuse in understanding 《be ~》理解が鈍い

obtuse  
ob "against" と tundere "to beat," で構成されている中世フランス語で「鈍い」「だるい」を意味するobtusに源を有するこの語は、1500年にはすでに「まぬけ」の意を有していたようです。
http://www.etymonline.com/index.php?search=obtuse&searchmode=none  

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読売新聞社会部

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