FoxのドラマBoston Legalのしゃれた会話を題材に、英会話を学びたいと思います。

■ブログ管理人よりご挨拶申し上げます■

当ブログを読んでくださりありがとうございます。当ブログを管理しているLalalanと申します。よろしくお願い致します。

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  • 今後とも牛歩で進む所存ですが、よろしく「拍手」「コメント」のほどお願い申し上げます。
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    → 英会話教材としてのBoston Legal      → Boston Legal概論


日本赤十字社への義援金(Google チェックアウト) Google Crisis Response

Let's help people suffered from the disaters Think Daily


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第十三話  Alanの秘書だった老女Catherineは、解雇されたあとは仕事の無い毎日に辟易していましたが、Alanの関心を惹く一心からコンビニで拳銃強盗をはたらきます。なんとかAlanと裁判を楽しみたいと思うCatherineは、事件のあと目論見どおりAlanの事務所を訪れ、昔の職場に戻りかつての同僚らと旧交を温め、水を得た魚のようにはしゃぎ、意気揚揚とAlanと裁判の戦略について話し合おうとします。

Catherine Piper:
Oh! We can talk finances and trial strategy. Ah, can we use osteoporosis as a defense?

Alan Shore: Do you have it?

Catherine Piper:
Ha, no! But I have a little pillow I can put under my shirt.

Alan Shore: We’ll keep that in our arsenal.

ーーーーーーーーーーー

Catherine Piper: ああ、私たちは裁判費用と戦略を話すのだったわね。骨粗しょう症を楯に行こうかしら?

Alan Shore: 骨粗しょう症なの?

Catherine Piper:
はは、違うわよ。でも小さな枕があるから下着の下に入れてふりしてもいいわ。

Alan Shore: その作戦は大切にしまっておこう。

keep in arsenal、なかなか素敵な表現です。Arsenalは、Jリーグの名古屋でも監督を務めた名将ARSENE WENGER率いる、英国プレミアリーグの名門サッカーチームの名称でもありますが、こんな風に会話で使えると楽しいですね。スポーツでよく切り札(final card, ace under sleeve)とか秘密兵器(secret weapon)という表現を使いますが、それに似た感じですね。こちらは意気揚揚に裁判で戦う気満々のCatherineに併せてArsenalを使うわけですが、そんなさりげない使い分けはなんとも素敵ですね。

Arsenal n.
  1. A governmental establishment for the storing, development, manufacturing, testing, or repairing of arms, ammunition, and other war materiel.
  2. A stock of weapons.
  3. A store or supply: an arsenal of retorts.
http://www.thefreedictionary.com/arsenal

もうひとつ、はしゃぐCatherineに併せて使われた会話表現(?)に「25 to life」というのがあります。

Catherine Piper: I’ll be here. I’ve cleared my schedule. This gets top priority.
Alan Shore: As it should. Given you’re facing 25 to life.

Catherine Piper: 私はここにいるわ。スケジュール明けたもの。最優先するわ。
Alan Shore: そうじゃないと。なんといっても25年で終身刑の恐れもあるんだから。

「25 to life」は米国の凶悪犯に対して下される判決である猶予付き終身刑 (indeterminate life sentence, 例えば15 years to Life, 25 years to Life)の意ですが、この言葉に由来して2006年に発売されたビデオゲームの名前でもあります。内容の過激さから、当時のヒラリー・クリントン議員か ら名指しで批判を受けるなど,発売前からかなりの“評判”を得たゲームです(4gamer.net)。

ゲーム「25 to life」は、現代の都市生活、street cultureを再現したゲームで、HIPHOPのBGMが流れるなか、警察官か犯罪者(ストリートギャング)の立場でロールプレイします。プレイヤーは、自身の演じるキャラクターを自在に設定でき、オンラインでは最大16人までが一緒にプレイできるそうで、通行人のリアクションや街頭音等、とてもリアルな出来だそうです(Eidos Passes Sentence and You're Facing '25 to Life')。

Alanの台詞は放送当時の「25 to life」の話題を踏まえているわけですが、このあたりの世事を敏感に取り込むあたりはBoston Legalというドラマのひとつのキャラです。

ヒラリーに批判される理由はなんとなく分からないでもないです。ピクミンでさえ生物と闘う場面を過激と感じる私にとっては、このYouTubeに掲載されたゲームの進行画面を見て相当にきつい内容なんだな、との印象を受けました。
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誰しもサンドイッチ・Sandwichは英国のSandwich卿が発明した食べ物だ、という話しを聞いたことはあるかもしれません。18世紀のイギリス人貴族John Montagu, 4th Earl of Sandwich (3 November 1718 – 30 April 1792) がトランプゲームに嵩じる最中、召使に「パンに肉を挟んで持って来い」と言いつけたところ、ゲームの参加者が「俺にもSandwichのと同じものを("the same as Sandwich!")」と言ってSandwichの名称の嚆矢となったとか。Sandwich卿は食べ方を指定しただけで、今でこそ世に知られる形態のサンドイッチという食べ物を発明したり、世に広めたわけではないようです。

そもそもパンと一緒に何かを食べる、パンに何かを挟んで食す、というのは人間の食事の歴史にあっては極めて自然な食物摂取の形態です。新石器時代にはすでに肉とハーブを小麦粉を焼いたクラッカー風の生地に挟んで食していたそうですし、中世には厚手の生地をお皿代わりに上に食品を乗せて食していたそうです。現在イメージするサンドイッチに近しいものは17世紀オランダに見られるそうで、居酒屋の天井から吊るされた熟成牛肉を削ぎ落とし、バターを塗ったパンと共に食したそうです。現在のオランダではその食べ物はbelegde broodjeとして、牛肉だけでなく様々な具材とともにパンを食す食べ物として伝わるようで、ちょうどハンバーガーの中身がサンドイッチの具になっているような感じです。

パンにものを挟んで食べること自体は遥か昔からあるのに、サンドイッチの形式に昇華するまでに、新石器時代→中世→17世紀オランダ、と、かように時間を費やしたのは何故なのでしょうか?

と 疑問に思ったのですが、この問いは、この問い/仮説の立てかたがおかしいようで、サンドイッチという食べ物はきっと中世にもあったはずです。パンに食べ物 を挟む食べ方がサンドイッチに変化しとして広まったのではなく、問題は、一つの確立されたレシピとしてパンに食物を挟んで食する食事法が人々の間にひろまり、何らかの呼称 や地位を伴う食べ物として市井に広まったのが18世紀のイギリスで、そのとき食べ物と一緒にSandwich卿のエピソードが同時代人としてタイムリーに人口に膾炙した、ということなのでしょう。

すわちサンドイッチ卿によって
一つのレシピとして確立されたサンドイッチは、18世紀にゲームや夜の酒盛りで供される「つまみ」から次第に貴族社会の間において夜食として広まり、19世紀には産業社会の進展に伴い、労働者/中産階級/一般家庭において労働時間と食事時間がせめぎあう中にあって手軽な食事摂取形態として浸透し、20世紀に米国に伝播しfast foodとして商業展開され現在の「サンドイッチ」ができたようです。そして今や十分にヘルシーと思われてきたサンドイッチも後述の会話例で登場する「プロテイン・スタイル」即ち炭水化物なしのパンを使わないサンドイッチ(!)に進化しようとしています。

Wikiにも張ってあるこのリンクを見ると、現代のサンドイッチが手の込んだものからシンプルなものまで、いかに多彩で多様かを見て取れます。後述の会話例にも、ham and provoloneとか、Roast beef and havartiといった豪奢なサンドイッチの名前が登場します。私がアメリカに駐在していたときは、仲良かった友人がいつもReuben sandwichを好物に食べていました。

第十二話で、オフィス内に入るsandwichStanにからむBevの会話です。パンを使ってこそサンドイッチなのか否か、サンドイッチの定義を巡って蝸牛角上の掛け合いです。

Stan: Lorraine, ham and provolone on a baggett.
Beverly Bridge: Uh, do you have anything without bread?
Stan: These are sandwiches. They have bread.
Beverly Bridge: Well, there’s a thing called, Protein Style.
Stan: Well if they don’t have bread, then they’re not a sandwich and I only do sandwiches.
Beverly Bridge: Do you know who I am?  I’m Denny Cranes’ fiancé.
Stan: Yeah? So? Hey Mr Chase! Roast beef and havarti!

また第十二話の最後のエピソードでは、オフィス内に入るsandwich屋の職を得たCatherineが楽しそうに元気よくsandwichを売りさばく姿が映し出されますここでもWrapという形態を含むいろいろなサンドイッチとside dishの名前が登場します

Catherine Piper:
Pesto chicken!! Veggie wraps!! Roast beef on ciabatta.
Come and get it. I have fruit and hard
boiled eggs and stuff, but I’ve got Bundt Cake.


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日本ではなんといっても「おにぎり」ですね。
[サンドイッチ卿のあとのサンドイッチの歩み]の続きを読む


第十三話  Deniseは、とある出来事から示談を提示された少女から相談を受けています。示談金を受けるべきか、それとも裁判を続け巨額の賠償を請求するか。Deniseは相手に法的な落ち度はないので好意で出してくれる示談金を受けるべきだと考え、示談金は適当な額だという第三者のお墨付きをもらおうと、そのお墨付きを与える役をAlanに頼みます。Deniseは事件の内容を訊ねるAlanに事情を説明します。

Denise Bauer:
It involves invasion of privacy. A woman, Jacqui Hayden, access was gained to her personal medical records.


Alan Shore:
Invasion of privacy. There’s an increasingly familiar tune these days.


Denise Bauer:
This is little worse than your typical case of someone being denied a job because of a preexisting condition.


-----------------------------------

Denise Bauer: 
プライバシーの問題が絡んでいるの。一人の女性が、Jacqui Hayden、ていうんだけど個人の医療記録が公開されてしまったの


Alan Shore: 
プライバシーの侵害ね。最近はすっかり馴染み深く響くね。


Denise Bauer: 
これは少しタチが悪くて、既往症を理由に仕事を拒否される典型的なケースとは違うわ


preexisting conditionを「既往症」としましたが、米国の医療保険制度においてpreexisting conditionは、単なる「既往症」以上の意味を持つようです。どんな意味を持っているかは、例えば下記サイトなんかを見るとよくわかりますし、また 医療保険とは何か改めて考えることができます。

米国と日本の医療保険制度の違いを、歯科治療の観点から、具体的には既に一度保険を使って治療した歯(preexisting condition)が再び悪くなったときに、同じ歯に再び保険を適用する問題について論じています。
http://www.heraeus-kulzer.co.jp/customer/storm_060713.html

ま たオバマ政権が進める医療制度改革の中で、preexisting conditionはちょっとした話題になっています。保険会社はpreexisting conditionを広くいろいろな問題に拡大適用して、保険金の不払いの理由にしており、暴利を貪っているのではないかという指摘です。

拡大適用の批判の一つ が(8つの州では未だ)家庭内暴力(DV)の犠牲者となっている女性への保険はpreexisting conditionで認められない、とするものです。暴力を振るう夫と結婚した時点で保険の適用対象外(保険契約時の病気と同じ!?)とする考えです。結婚した相手の性格に「既往症」という訳はしっくり当てはまりませんが、たしかに "condition" ではありますね。

http://www.huffingtonpost.com/2009/09/14/when-getting-beaten-by-yo_n_286029.html
http://womensenews.org/article.cfm/dyn/aid/4124

先に引用した歯の例も含め、このあたりが米国のpreexisting conditionを理解するに、日本語の「既往症」では意味をとらえきれないところです。

日本の政治改革も楽しみですが、アメリカの保険制度改革も行方を見守りたいですね。

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第 十三話 Alanの秘書だったCatherineは高齢のおばあちゃんですが、事務所の顧客にして自分の男友達だったBarneyを殺害し事務所を解雇さ れていました。Alanから秘書に戻してやるといわれた言葉を信じていたCatherineでしたが、仕事を失ってからは生きがいや張りの無い毎 日で、Alanの関心を惹く一心からコンビニで拳銃強盗をはたらきました。現場にかけつけたAlanとの会話です。

Catherine Piper:
Robbery isn’t as bad as killing a man. And you got me off on that!

Alan Shore:
And you’ve done wonders with our second chance.


Catherine Piper: 
盗難は人殺しほど悪くはない。あなただって殺人を無実にしてくれたでしょ。

Alan Shore: 
それで貴女はまた実にすばらしく更生の機会を活かしましたね。


Get someone off は、someoneをget off する(取り除く、解放する)で、上記例文はthatについて(on that) someoneをget off する、となります。

do wonders
  1. 奇跡的な[驚くべき]ことをする[行う]、素晴らしい仕事をする
  2. 驚くほど効果がある
  3. 〔薬などが〕驚くほどよく効く
(英辞郎)

こちらではdo wonders + forで紹介されています。
do wonders for: to make a remarkable improvement in
http://www.yourdictionary.com/wonder

またAlanが店員に語る台詞もblackでニヒルな雰囲気が漂って流石な脚本だと感心してしまいます(あえて訳は掲載しません)。

Store clerk: You a lawyer?
Alan Shore: Actually I’m here more as a friend to the befuddled old woman who…
Store clerk: Robbed me! Do you know how many times I’ve been held up this year?
Alan Shore: Far too many for you to appreciate her little prank I’m sure.


高齢化社会においては、老人は加害者としても被害者としても扱いの難しい存在になるのと思われます。健常の大人でありながら弱者、時に寂しさを紛らわすとか世捨て人になってとかでアウトローの強者、いろいろ複雑な事情を抱えていそうで、裁判員制度では議論が難しくなりそうですね。絶版になって残念な先達の研究成果です。
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get off も、get off onとなりますと今旬な話題の中毒系の状況を示す言葉に・・・
[Do wonders ]の続きを読む


第十二話 事務 所の代表の一人Paul Lewistonは、Dennyの前妻たちに事務所の存亡に関わるような事件に巻き込まれてきたトラウマから、DennyとBevとの再婚には 個人ではなく会社として憂慮を示し、Prenupの修正を先導します。修正したPrenupを見せられたDennyは事務所の筆頭代表である自分のプライベートへ事務所が介入する事態に激昂し、Paulと感情的に口論を展開します。Paulは口論の翌日に事務所の廊下でDennyとすれ違いふと身構えますが、Dennyは 何事も無かったかのようにCelticsの試合のチケットを出し、以下のような台詞を述べます。

Paul…, would you rather rehash all that? Or should we just pretend that I’ve forgotten?
I left Bev on simmer, she should be coming to a boil rather nicely now.

Paul…, もう一度議論できないかな?、或いは私が忘れてしまったことにしないか?
Bevを待たせているんだ、いい女になるというより激怒し兼ねないよ

Rehash
Hashは、システム系の人には暗号化技術の「ハッシュ関数」などでお馴染みの単語ですが、hashにreをつけてrehashで焼き直し、再読込み、といった意になります。

Leave ~ on simmer
通常はleave to simmerのようですが、leave on simmerでも十分に意図は伝わりますし、leave on simmerのほうがイメージに合いやすい気もします。

Come to a boil
  1. [for a liquid] to reach the boiling point.
  2. [for a problem or situation] to reach a critical or crucial stage.
  3. [for someone] to get very angry.

字面では伝わりませんが、激しい口論を交わした後に関わらずDennyは何事もなかったようにとぼけた雰囲気で上記台詞を語るのですが、Denny Craneという男のキャラクターの一側面を表しています。ボケたフリ、理解できないフリして実は他人の行動をしっかり見ている、物事の本質をきっちりと 捉えている、ある意味で老獪なキャラクターです。

さらりと関係を修復したあとで話題を転換する、そんな話術も学び取りたいものです。

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SimmerといったらやはりCookingのほうですね。

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第十二話 最終弁論 
パートナーに昇格できなかったJerry Espensonはプッツり切れて、事務所の代表の一人Shirley Schmidtにナイフを突きつけ起訴されています。裁判が圧倒的に不利に進むなか、JerryAutism (自閉症)の一種と考えられるAsperger Syndrome (アスペルガー症候群)であると診断され、Alanは精神疾患を理由に起訴の取下げを要求します。

Alan Shore:
There’s no reason to prosecute this man.  Shirley, you must have something to say about this.
この男を訴追する理由はない。Shirley、何か言いたいことは?

Shirley Schmidt:
I do. I’m sorry Jerry has Autism. It explains a lot. But what’s to stop him from doing it again? From attacking someone else? Or worse?
そうね、Jerryが自閉症というのは気の毒ね。いろんな説明がつくわ。でももう一度同じ過ちを繰り返すときどう止めるの、誰かを攻撃したり、もっと悪い事態も?

Alanはなんとか食い下がるShirleyに対し、ShirleyJerryから受けた蛮行への個人的な復讐から裁判に血道を上げていると考え、公正・権利・正義の観点から正しい対処をしましょうと訴えます。

Because he wants to get better.  There’s medications that can help control his outbursts. Behavioral therapy to rehabilitate his social skills, occupational therapy for his ticks.  It’s what’s fair! And what’s right.

Shirley, in the time that I’ve known you I’ve never seen you do what you’re doing now. You said to me at the outset you were looking for justice. Jerry Espenson has been suffering needlessly his entire life. Now he has a chance to find a measure of peace.

That’s justice, Shirley. Isn’t it?

ここではキラリと光る以下の二つのセンテンスに注目したいですね。
  • I’ve known you I’ve never seen you do what you’re doing now
  • 私はあなたを知っていますが、あなたが今しているようなことをしてるのを見たことがない。(放送約:あなたはこんなことをする人ではない)
なかなか素敵な台詞ですね、さらりと使ってみたいものです。
  • Now he has a chance to find a measure of peace
  • 今彼は平穏とは何かを理解する機会に巡り合わせているのです
Measure of:a ~》~の尺度、ある程度の、一定(量)の~(英辞郎)
映画Rocky Vで挿入歌となったElton Johnの名曲“The Measure Of A Man” でも使われるmeasure of は、文字どおり「~のmeasure(測り方、評価基準、尺度)」といったところで、「見極め」といった感じの表現でしょうか?Rockyで詠われたThe Measure Of A Manは直訳すれば「男の尺度」ですが、よって文学風に訳すと「男子の本懐」とか今風にすと「男の品格」といったところでしょうか。

ここでは精神障害を抱えながら平穏を望んでも平穏とは無縁な周囲と調和しきれない人生を過ごしてきたJerryが今やようやく「平穏」とは何かを知る機会に恵まれているんだ、あなたは彼がキレて彼を訴えると決めたときに、(訴えるのは止めるよう言ったのに)正義を求めているといったでしょ(You said to me at the outset you were looking for justice)、正義を求めるなら精神障害者に対する告訴は取り下げましょう、という感じの内用です。

measure of ~ なんてさらりと使ってみたいものです。

///



第十二話 最終弁論
モンスター・ペアレント(英語ではhelicopter parent)は日本でも話題になった問題ですが、皆さんが弁護士だったら、あるいは陪審員として当該問題を裁く立場であったら、どうしますか。たとえばモンスター・ペアレントから攻撃される学校側(教師側)を弁護する、モンスター・ペアレントの問題を第三者として考えるとしたら、どうしますか?

Deniseの補佐としてモンスター・ペアレントから職務怠慢で訴えられた高校教師を弁護するDaniel Postは、最終弁論を以下のような2段階で構成し(1. 教師のおかれた環境、2. 親御さん(本件ではGering一家)の品格)、陪審に対してはペアレントや教師の行動だけでなく、教育の本質(教育の結果子供にもたらされるべきものは何か)及び教育者としての親の品格に目を向けさせます。

1        現代の教師の置かれた環境(教師に対する尊敬の欠如、教師に対する評価は画一化された定量評価になっている)を説き、教師は教師で問題を抱えつつも十分にがんばっているのだと理解させ、原告である親御さん側の教師批判は一方的・利己的な主張だと意識させます。

The Gering’s wanna be involved in their child’s education. And they should be.  But in their zealotry they left one thing out of the equation, - the teacher.
  • Because we treat our teachers like crap.  Instead of training our educators properly and believing in them and incentivising them with decent wages, we disrespect them; we challenge them at every turn.
  • And the government in their ‘No child left behind’ act have created a monster.  Instead of teaching children to be innovative our educators are forced to teach to the test.  And it’s been documented that nation wide some teachers have themselves cheated on the tests because their salaries, their bonuses, their job security are linked to the test scores.
2        教師に親御さんが心配な目を向けるのは理解できるとしても、そもそも親は子供や教師を「control」できないし、するのも間違っているし、大切なことは子供を“innovative thinkers” inspire することではないか、と、子供の教育に関心を抱く親の「品格」-just back off and let ‘em grow- を説きます。

And on the other side we have parents like the Gerings coming at them from all angles. Questioning their every move, instead of putting their faith in them. 
  • But they do it for a good place but all they want is complete and utter control.  And, believe me, I know all about wanting control of your life and having very little of it.
  • But you can’t control life, you can’t control your daughter, you can’t control the teacher. All you can do is inspire them to be innovative thinkers, people who tap into their own creativity and confidence to try new things, to challenge the status quo, to make new discoveries. And our kids will do all that and more if we just back off and let ‘em grow.

最後に末期癌に冒されている自分をネタにポロリと台詞をはいて終わります。
  • Just my luck, one of the little bastards will come up with a cure for cancer.
本職の弁護士の弁論でないだけに、法律論は少なく、道徳的な説諭といった趣の内容になっています。

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第十二話 Helicopter parentsに悩む高校教師の弁護を終えたDeniseとDanielは、レストランで食事を楽しんでいます。本物の法廷で弁護したDanielはいまも興奮覚めやらぬ様子で高揚した気分を伝えようとします。

I felt like a cross between Clarence Darrow and ah, Al Pacino in that movie where he shouts.

感じたのはClarence Darrowと、あ~、Al Pacinoのあの映画、彼が叫んでた、あれの中間みたいな気分だった

felt like a cross between A and B
felt like a cross between… は辞書で確認できませんでしたが、よく見る表現です。「ちょうどAとBの中間な感じ」と表現するときに使用するようです。
Clarence Darrow (1857 –1938)は、歴史に残るアメリカの弁護士です。
アメリカの弁護士史上3つのepoch-makingな事件を担当し、その後の法廷史の道筋を立てた功績を誇ります。3つの事件と簡単な内容を記しますと、
  1. Leopold and Loeb (無差別殺人事件)
    若い愉快犯小僧二人(Leopold and Loeb)が殺人をゲームのように楽しんだが、死刑という「蛮行」はやめようと熱弁をふるい、被告人ふたりを終身刑とした。
  1. The Scopes 'monkey' trial (宗教対科学)
    進化論を教えてはならないというキリスト教原理主義の色濃い法律に反対する科学教師(Scopes先生)を弁護し、古い固定観念の判事を証人台で血祭りに上げ、科学の時代をきりひらいた。
  1. Ossian Sweet, murder (人種問題)
    KKK問題がらみで正当防衛から殺人を犯した黒人(Ossian Sweet医師)の無罪を勝ち取った。その際の弁論はブラックなユーモアで、白人の陪審にたいし、失明するのと肌の色が黒くなるのとではどっちがいい?、或いは足を切断するのと黒い皮膚を移植するのとではどっちがいい?などと問いただし、人間のエゴに訴えかけて陪審を動かす弁論をふるった。
そんなClarence Darrowですが、扱った事件とその対処が素晴らしいのであって、弁護士としての職業に対する評価は、芝居がかった弁論、弁論というよりはバラエティーショー、などと決して高くはない評価も存在します。上記の3つの事件を見てもわかるとおり、20世紀初頭のアメリカで、人種問題や宗教問題、死刑制度に対し、人権を盾に真っ向立ち向かったことに意味があるのではないかと思います。
http://www.guardian.co.uk/world/2009/jun/11/clarence-darrow-us-trial-lawyer

Al Pacino がshoutsする法律映画
といえば、“...AND JUSTICE FOR ALL”(邦題『ジャスティス』)です。対立する判事のレイプ疑惑を弁護することになった熱血弁護士のドラマです。shoutするラストシーンは名場面の一つで、正直さ、正義を見るものに熱く訴えかけます。弁護士版「Serpico」といったところでしょうか?

以上を参考に“felt like a cross between Clarence Darrow and ah, Al Pacino” というDanielの台詞の引用を考えると、Danielの法廷での弁護は歴史に残るような雄弁な弁論ではありませんでしたが、正しい正義を体現した、或いは、決してshout するほどではなかったけどはっきりと考えを主張した、とあって、法廷で弁護した自分自身に酔いしれていたんだ、という高揚感を伝えるには十分な引用であると理解できます。

ちなみに勝訴の評決に飛び上がって喜んだDanielは、祝いの食事でもというDeniseをよそに、もう少しこの余韻を味わいたいという以下の台詞のあと、皆が去った法廷の最前列に一人座る印象的なシーンを演じます。

You know I’ll be out in a minute. I just wanna, ah, savor the moment.

いいせりふだと思います。savor the moment...なんて言ってみたいものです。
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当エピソードのラストシーンでは以下のような洒落た台詞が登場します。
[Felt like a cross between A and B]の続きを読む


第十二話 Alanが弁護している事件です。パートナーに昇格できなかったJerry Espensonは、事務所の代表の一人 Shirley Schmidtから「事務所に残ってもいいけどもう昇進の道はない」と告げられ、事務所を去る決心をしますがプッツり切れたJerryは、Shirleyに暴行をはたらき、起訴されています。Alanが弁護するJerry側は、人事評価など会社側の落ち度を炙り出そうと躍起ですが、検察側(A.D.A. Frank Ginsberg)は、事務所に残る選択肢があったにも関わらず事務所を去ったJerryに対する待遇について、事務所側には何の落ち度もなかったことを示そうと給与に焦点を当てます。

A.D.A. Frank Ginsberg:
And what salary would Mr Espenson have made if he’d stayed at the firm?
で、どのくらいの給与をEspenson氏はもらえたのでしょうか、もし事務所に残る選択をしていたら?

Shirley Schmidt:
Approximately three hundred thousand dollars per year.
およそ30万ドルの年収です。

A.D.A. Frank Ginsberg:
Three hundred thousand dollars a year? Sounds like a real coal mine at Crane, Poole and Schmidt.
年収30万ドルですか?Crane, Poole and Schmidtにしては少ないということですね。

Coal Mine
現代は、石油燃料が既に文字通りの化石となりつつあり、原子力或いは環境に易しいエネルギーがもてはやされるエネルギー事情を抱えています。炉端で備長炭程度ならまだしも、炭鉱業は時代に大きく背くお寒い業種で、実際に掘り尽くされ用済みとなった炭鉱跡の空間はがらんと空虚で、非生産性を象徴していますね。

弁護士の給与
日本の弁護士の年収は、850万円程度とする説もあれば、弁護士の種類によっては結構な額を手にしている様子です。また最近では司法改革に伴う弁護士人口の増大で、競争の増加から弁護士も年収300万円時代へ(JW(THE JUDICIAL WORLD)法曹界で今、何が起こっているのか 2008)などといわれることもあります。米国の弁護士はどうかといいますと、大雑把な印象ですが、10万ドル弱、といったところでしょうか?

以上のcoal mineと弁護士収入を念頭において最後の地方検事の発言を見てみましょう。

Sounds like a real coal mine at Crane, Poole and Schmidt

ドラマの舞台でもある弁護士事務所Crane, Poole and Schmidtは、一流の上に超がつくNY本部の弁護士事務所のBoston支部という設定で、全米の主要都市はもちろん世界中に事務所を構えています。そんな事務所に所属する弁護士でしかもパートナーになり得る立場の弁護士の給与ですから年収30万ドル程度になっても不思議ではないわけですが(Season 2第2話で展開されたDeniseの離婚のケースではDeniseの年収が約27万ドル程度と設定されそれをもとに相手弁護士が扶養金額を試算していました)、30万ドルはcoal mine(=お寒い金額)なんですね、そんなお寒い給与だからEspenson氏は事務所を去ると決めたのですね、という皮肉妬み羨望の込められた表現が上記地方検事の発言であると理解できます。放送では、「とんでもない薄給ですね」と訳されていました。

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Coal mineを使った有名なidiomにCanary in a Coal Mineがあります。
[Coal mine]の続きを読む


第十二話 Jerryの公判で、証人席で証言するShirleyに対して、Alanは反 対尋問に挑みます。Jerryを法廷に引きずり出し、法の裁きを下そうというのは、15年も勤務してきた忠実な部下の一瞬の血迷いに対する仕打ちとしてはひ どすぎるんじゃないか、という論戦に持ち込むのがAlanの目論見のようです。

A gifted, eccentric and loyal employee who worked for fifteen years on a promise, momentarily lost control of his senses when his one dream was taken away.  And yet the D.A.’s office has charged my client with everything short of the Lindberg kidnapping, because ultimately they’re just following orders from the great and powerful Schmidt.

才能があって、奇人、それでいて忠誠な従業員は、希望を胸に15年も働き続けて きたが、一つの夢を奪われたときに一瞬だけ自身の制御を失った。それでもD.A.の事務局は私の依頼人をLindberg誘拐事件ばりに起訴している、な ぜなら結局のところ彼らはただ偉大で強力なSchmidtの命令に従っているだけだから。

everything に short of~を併せて、「~にちょっと足りないeverything」となります。「ほぼ全量」、を示唆する分量を表現したいときにalmostとかではなくeverything short of~を使って「ほとんど~」、「~ に満たない全て」、というのは、「~」の部分で具体的なイメージもちょっと付けてあげられたりして、響きも良くぜひ使ってみたいです。

do everything short of: ~以外は何でもする
  • She did everything short of prostitution to live.
  • 生きるために体を売る以外のことなら何でもやった
(英辞郎) 

Lindberg kidnapping


Lindbergは、1927年に大西洋単独無着陸飛行に初めて成功し、 1931年には北太平洋横断飛行にも成功したご存知アメリカの飛行機乗りです。大恐慌最中の1932年に、このリンドバーグの赤ん坊が誘拐された事件がAlanの台詞に登場するLindberg kidnappingです。事件のドラマチックな展開と身代金交渉の末に一旦は犯人の手に落ちたかと思われた誘拐事件でしたが、後に犯人は逮捕され処刑されました。

しかしながら実は 冤罪だったのではないか、またリンドバーグ本人も事件に関わっていたのではないか、などリンドバーグ本人の性癖も手伝って事件は様々な憶測を呼びました
。またこの事件がアガサ・クリスティの『オリエント急行殺人事件』の序盤で登場する誘拐事件のタネになっているというのはよく指摘されるところです。

法律的に事件が果たした役割は大きく、まだFBIができていない頃の本事件で赤ん坊の残忍な遺体が発見され、複数州にまたがる誘拐犯行は連邦犯罪とし、州を跨いでも迅速な警察対応を可能にするFederal Kidnapping Act(通称リンドバーグ法)が成立することとなりました。

フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 リンドバーグ愛児誘拐事件

偉大な飛行機乗りの赤ん坊ということで、当時の軍人等が事件解決に躍起になり、 事件を強行に解決したことで知られ、この会話例でも「Lindberg誘拐事件ばりに起訴している」と半ば嘲笑的に引かれています。Schmidtから は、ナチス・ドイツの航空機Messerschmittが連想されるわけですが、そのつながりでLindberg kidnappingを引いているとしたら航空機つながりで手の込んだ脚本と評価できますね(考え過ぎ?)。

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参考までにリンドバーグ誘拐事件について記します。
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