Boston Legalというドラマ

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、第二十六話 LA出張にやってきたDennyとAlanはOrtolan で食事していますが、将来にどちらかの死の床にあっては、延命の決断をお互いにしようではないかとの約束をめぐって口論になります。Dennyは遺言でAlanに延命の決断を委ねたのでしたが、Alanは、Dennyが延命の決断をしてやるという申し出を断り、Dennyにしてみればなぜ?と絡みたくなるのでした。
 
Denny Crane:
The trouble with you is your brain is so clogged up with big words
You don’t have room for the stuff that’s really important.
Trust in a friendship is a two-way street. Or there’s no friendship.
 
Alan Shore:
A real friendship doesn’t include one person being positively giddy over the prospect of pulling the plug on the other.
 
Denny Crane:
I’m not giddy!
 
Alan Shore:
You are! I think part of you really wants to be the guy who kills me!
 
 clog up
【句自動】〔管などが〕詰まる、塞がる
【句他動】〔管などを〕詰まらせる、塞ぐ、〔人を〕便秘にさせる
・The kitchen sink is clogged up. : 台所の流しのパイプが詰まった。 (英辞郎)
 
big word
難解な言葉、大げさな言葉、大言壮語、意味不明な語、もったいぶった言葉
(英辞郎)
 
ところがbが大文字Bになると、Big word. 大言壮語 となります。 (英辞郎)
 
giddy
【形】目まいがする、目の回るような、目がくらむような、軽薄な、浅はかな
【自動】目まいがする

・・・

Boston Legalというドラマが単なるLegal Comedyとしての娯楽性を超越し視聴者の感情に訴える理由を考えると、ドラマで扱うエピソードの根底に人間の生死が描かれていて、単なる軽いドラマに終わってはいないからではないかと考えます。直接に殺人やを扱うエピソードから安楽死病気医療の事故、暴力、死に近づく老い、などなど、考えてみれば法律は根底で常に生死と背中を合わせているわけですが、Boston Legalはその事実を見事なまでに脚本にさらりと紛れ込ませているのです。

今回のエピソードは、BSEの疑惑もあって死を意識した日々を送るDenny(本人はそんなフリはおくびにも出しませんが)の悶々とした死の迎え方に関する哲学が、生を満喫し慈しみを実践するAlanと対立したエピソードに仕上がっています。

脚本の行間に埋められた死生観、Boston Legalというドラマに厚みを持たせている要素と考えても大袈裟ではないと思います。

・・・

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第二十五話 Ending: AlanとDennyのバルコニートーク
Boston Legalのエピソードは毎回、AlanとDennyがエピソードをに関連したおしゃべりを肴にスコッチと葉巻を嗜むバルコニートークで幕を引きます。25話もまた例外ではありませんが、すこし社会的な内容に発展します。もとの放送は2006年5月9日で、G.W.BUSH率いる共和党政権が米国民の信頼を失いつつあるなか、HilaryとObamaの主導権争いで勢いを増す民主党の躍進が目立ち、政権交代を予感させる空気が日増しに強まる時期でした。しかし、共和党か民主党かの2者択一に論点が移り、社会の抱える問題の本質を見失ってはいまいか・・・。Boston Legalというドラマは、Alanの台詞に込めた脚本を通して、当時の単純化された2分論に染まった社会に警鐘を鳴らし、批判すべき社会に知らず知らず同調していた自戒の告白を吐露します。
 
This notion that we have to take sides in this country now, you’re either with us or against us, Republican or Democrat, red state or blue state.  No one looks at an issue and struggles over the right position to take anymore.  And yet, our ability to reason is what makes us human. Lately, we seem so willing to forfeit that gift of reason in exchange for the good feeling of belonging to a group.  We all just take the position of our team.  I’ve certainly done it and hated myself for it.
 
こ の考えは、この国でいま、誰もがどちらかの側に付かなければならない、見方か敵か、共和党か民主党か、赤か青か、とか。もう誰も問題を直視しないし、もが いて正しい位置につこうとはしない。もともと、存在理由を見出す能力こそは私たちを人間たらしめるものです。最近、我々は集団に属する心地よさと引き換えに嬉々 としてその能力を放棄しているように思えます。我々はすべからく単に自分の所属するチームのポジションを取るだけです。私も確かにそうしましたが、故に自 己嫌悪に陥っています。

42年ぶりに国内にある全ての原発が停止した日本で起こっている、2者択一がちょうどこんな感じではないでしょうか。原発は安全か危険か、必要か不要か、再稼動すべきか停止すべきか・・・。そんな二元論に終始し、背後の社会問題や電力政策には目が向かない・・・。「フクシマ」論はAlanの台詞と同じくそんな社会の議論に一石を投じます。

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原発問題を含め民主党の未熟な政策運営の限界が露呈し、日本でも再び政権交代前夜・・・、という空気が出てもよさそうですが、「自民(民主)党も結局は民主(自民)党と同じ組織構造ゆえに政策運営は両者に明確な相違をもって国民に発露しない」という事実に気づいた有権者は、なかなか政権交代の空気を感じられません。

その間隙を縫って登場したのが橋本徹氏で、橋本氏は「システム」を論点に中央政界に颯爽と影響を及ぼしはじめました。自民でも民主でもなく、自民と民主の根っこにある「システム」に目を向けようよ、という理屈を展開し、日本の疲弊したシステムに戦いを挑む橋本大阪市長の姿は政権交代前夜のかすかな希望に映ります。
 
しかしこ の考えも、上記の台詞において「見方か敵か、共和党か民主党か、赤か青か」を、橋本市の論理に合わせて考えると、問題の本質を見失いかねない危ういさをはらんでいることに気づきます。

橋本氏は、システムに組み込まれるか、システムに挑戦するか、を問いかけていて、システムの中か外か、という選択を迫ります。今や誰も システムに組み込まれる状況を直視しないし、もがいて正しい位置でシステムをとらえようとはしない。もともと、システムに対する個の存在を理由付ける能力 こそが私たちを人間たらしめるものでした。最近、我々はシステムに属する心地よさと引き換えに嬉々としてその能力を放棄しているように思えます。我々はす べからく単に自分の所属する組織のシステム内での位置を気にするだけです。私も確かにそうしましたが、故に自己嫌悪に陥っています。

このシステムと個人の対立は映画マトリックスで展開された理論を彷彿とさせます。Keanu Reeves演じるNEOが属する人間側のチームはシステムに呑まれる事態を拒む物語を展開していましたが、さて、橋本徹はNEOになれるのか、私はそのなかでどういう立位置にいるべきなのか、原発問題も含め思考停止に陥っている状況を自戒し、しっかり考えなおしてみたいと思います。

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ところで、オバマはなぜ大統領に就任できたのか・・・
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第十八話 Dennyの扱う事件の相手方検事は、車椅子で過ごす原告(窃盗に入ろうとした家屋の防犯システムにより体中に電流を流された、泥棒にして麻薬中毒者ながら、本件での被害者)の姿をメディアに流し、世論を味方につけようとします。Dennyは、自分の弁護する被告(家屋の防犯システムに電気ショックを設置した男性、泥棒に入られたが本件での加害者)についてもメディアを使って世論を味方につけようと考えます。Dennyは被告の行為は、家を所有する者の当然の権利であると意識付けすべく、広報コンサルタントを採用し、 “American Homeowner” というキャッチフレーズを考案して被告のブランド化を検討します。DeniseはそんなDennyの戦略に懐疑的です。DennyはそんなDeniseにRodney King事件を引きます。

Denise Bauer: But do we really think that we need to label Mr Blayney?

Denny Crane: Ah, Denise. Rodney King?

Denise Bauer: Rodney King. Uh, severely beaten by the police over ten years ago.

Denny Crane:
See? You remember. Why? Branding! They didn't call him Rodney King: wifebeater,
alcohol abuser, who swung a tire iron at a convenience store clerk. They called him Rodney King: a
motorist, a motorist: Rodney King. Brings to mind images of a jaunty man riding hat in cap in a Model-T.
That's what we want. Russell Blayney: American Homeowner. Not Russell Blayney: eats them broiled,
baked or fried.

Denise Bauer: But Rodney King was beaten!

Rodney Kingは1991年にロス市警の警官から集団で暴行を受けた黒人で、暴行の様子は偶然に付近でビデオ撮影していた市民のカメラに収められ、映像としてアメリカ全土に流されました。映像はアメリカ市民の人種問題の火種となり、度重なる人種対立の事件とともにくすぶり続けましたが、1992年4月29日、Rodney King事件の裁判で警官への無罪評決が下されると、評決に怒った黒人は暴徒と化し、ロサンゼルス市街及び飛び火したラスベガス、アトランタ、サンフランシスコをなどのアメリカ各地、カナダの一部にまで波及しました。暴動では黒人が白人市民を襲う様子も伝えられ、人種対立は泥沼と化しました。

Rodney Kingは暴動のさなか黒人側の英雄的存在で、暴動の沈静化を目論むTVから担ぎ出された際には、暴徒と化した黒人たちに平和と人種間の融和をよびかけるメッセージを発するなどの役を務めましたが、もともとは前科持ちで、Dennyのいうように、婦人への暴力、アルコール中毒、コンビニ強盗の前科があります。警官から暴行を受けたときも、深夜スピード違反で捕まり、警官に逆らったために暴行を受ける羽目になったのでした。

Rodney Kingが暴徒に向けて語りかけたメッセージ
People, I just want to say, you know, can we all get along? Can we get along? Can we stop making it, making it horrible for the older people and the kids?...It’s just not right. It’s not right. It’s not, it’s not going to change anything. We’ll, we’ll get our justice....Please, we can get along here. We all can get along. I mean, we’re all stuck here for a while. Let’s try to work it out. Let’s try to beat it. Let’s try to beat it. Let’s try to work it out.
http://en.wikipedia.org/wiki/Rodney_King

しかしながら当時も今も人々の記憶にのこるのはRodney Kingは犯罪者ではなく暴行の被害者であり、悪の警官に対する、弱い被害者の善としての黒人の象徴です。Dennyはこのイメージ付けを裁判の戦略に持ち込もうとしているのですが、Deniseの指摘したように彼らの弁護しようとしているRussel Blayneyは本件では白人で加害した被告の立場です。Boston Legal ならではの心憎いまでのアイロニーたっぷりの構成です。

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